ビリログBtoA

球を撞いた記録と日々思うことと。ビリヤードがメインのブログです。

C級からB級になる3 ~B級になるための練習方法2~

連載第3回。

前回まででB級を意識する段階の定義と、B級らしくなるための練習方法の1例と、を記載していきました。

 

 

今回の記事では、B級らしくなるために「ダシを意識してちゃんと入れられるようになる」の点について、どういった練習をしていけばいいのかをまとめます。

なお、これもできる範囲が広くなればA級のそれになっていく内容なので、あくまでB級程度の「ダシを意識してちゃんと入れる」だと思っていただければ幸いです。

 

 

 

何故ダシを意識していないような球になるのか

実際、C級とはいえ多少はダシの知識もあるのですから、まったく何も考えていないなんてことは早々ないと思うのですが、それでも結果として目の前に現れる手球の転がり方が「イレ専念の球」と認識されてしまうことがしばしばあります。

これの理由は2つしかないと思われます。

 

理由1:転がり方の想像ができていない(物理的に間違えている)

右振りなら右に、左振りなら左に。

無回転なら90°分離、押し回転なら90°よりも前に、引き回転なら90°よりも後ろに。

 

この辺はもちろんわかっているのですが、厚みに対する押し加減引き加減の影響についてあまりにもわかっていないから「イレ専念かな?」と誤解されることがしばしば。

 

私自身は押しのイメージ力がもの凄く悪いので、このパターンが今でもちょいちょいあります。

例えば、下記のような配置。

 

f:id:fumy_billiard:20170605173305j:image

 

厚みがそんなに厚くないので押したところで実際はこんな風になると思われます。

 

f:id:fumy_billiard:20170605173314j:image

 

にもかかわらず、「押せば前に」と盲信していた私はしばしば下記のようなイメージになっていました。

 

f:id:fumy_billiard:20170605173327j:image

 

キレだけはA級上位とかになれば実現できるのかもしれませんが、多分物理的に無理です。

 

理由2:ダシを考えると外すからあえて考えない

前回までの記事でも触れましたが、もう一つの理由はこれ。

出ないとわかっていても入れるためにあえて選択しており、こちらは本当に「イレ専念」の球です。

 

もちろん、勝負どころで入れなきゃどうにもならないようなときや、自身の技術的に出しようがなく我慢するしかないようなときであれば腹を括ってイレに専念する必要があるときもあります。

ただ、練習時からそんなことばっかやってるといつまでたっても出せるようにならないので、「自身の技術的に出しようがない」となる範囲については、練習で小さくしていく必要があります。

 

ダシを意識するからイレが覚束なくなる

意識しろって論調なのに何言ってんだ、と思われるかもしれませんが、これは事実だと思っています。

 

意識の配分がイレのみじゃなくなるからイレが弱くなる

今まではイレばっか考えてそれで入れてきている状態ですが、そこに新たに「ダシ」を考えるようになれば、当然イレに注ぐ頭のリソースが減ってくるのでイレの力が弱まるわけです。

人間の頭の限界を感じる瞬間です。

 

ダシを考えるとき、イレを考えるとき、で切り分ける

これは私個人のやり方ですが、構える前後で意識を切り分けて対応しています。

ダシについてはアドレス前までに、どの撞点で、どの加減で、どこら辺に、と考えます。

そして、アドレスから構えに入り、プレストローク時には「ここをあの加減で撞けばあそこら辺に出る!大丈夫!」と信じきって、入れることだけに集中するようにしています。

 

これがちゃんとできるときは結構入って出るし、ダシが気になり過ぎて振ってる時も意識が傾く(大体が不安)と、やはりイレも寒くなりがちです。

やることは簡単ですが、実際にやるのは大変、の代表例のようなものだと思います。

 

ダシを意識してちゃんと入れるための練習方法

知識がないから出せないか、イレが伴わないから出さないか。

結果的か意図的かはともかく、イレ専念になってしまうのはどちらかが原因ではありますが、練習する方法はどちらであっても共通です。

 

練習方法1:転がり方の基礎練習

例えば、下記のような1番。

 

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フリーボールで左サイドに入れた際に、左長クッションの2~8番のうち予め指定したいずれか1つに押し球で手球を当てることができるかどうか。

フリーボールでサイドから押しで流してポジションするってかなり有用なので押さえておきたいところです。

このときの押し球は、殆ど力まずに効かせるような押し球にすることが大事です。

力まないと押せないようでしたら、キューを効かせる練習も必要かも。

 

こういった、簡単なイレでかつ押しだけで出せる球について、色々な加減や厚みでバリエーションを作っておくと役立つことが多いです。

引きも同じだし、様々な回転態様で引き出しを多く持っているのは絶対に強いです。

 

練習方法2:バラ球取りきり

当ブログのメインコンテンツに近い「5個取りきり」に代表されるバラ球の取りきり。

 

 

台の上に任意の個数の的球を適当に転がし、フリーボールから取りきる練習です。

 

B級ならば5個で練習したいところですが、C級からB級になる段階ならば4個取りきりの率を上げるのがまずは大切かな、と思います。

どうしても難しければ3個でもいいと思いますが、成功率が2割くらいあるならできない辛さに耐えながら4個で頑張るべきだと思います。

基本的に成功率が低い練習なので、辛いです。

辛いですが、成功率が上がってくる=イレもダシも伴ってきている、なので、効果もしっかり出る練習です。

 

練習方法3:ドリル練習

「特定のこの配置からのイレとダシが両立できない!」と明確に分かっているときは、固定の配置でドリル練習をした方がいいと思います。

当ブログでも、ちょいちょい苦手を見つけてはドリルを作って試しています。

 

 

この練習の方が一度上手くできると正解がわかって連続してできるようになることが多いのでバラ球取りきりより楽しいです。

あと、撞いていないときに配置を考えるのがめちゃくちゃ楽しい。

 

バラ球、ドリルに共通する練習の意識すべき点

どちらの練習でも、どこを意識すべきかという点は共通しています。

 

1日に取り組む配置は1配置

練習時間が8時間とか取れるなら別ですが、2~3時間の範囲内であるならば、1日に取り組む配置は1つにした方がいいです。

1回成功したから次、としてしまうと、たまたまの成功にすぎない場合も反復練習できないため、「アベレージの向上」に繋がりません。

ポケットビリヤードはアベレージが求められる種目なので、最低でも時間内であれば3回連続成功するまでは辞めない、といった意識の方がいいです。

 

事前に組み立て、組み立て通りにいかなかったらちょっと失敗と認識する

予めこの球はこの穴に、この振りで、と組み立ててから取り組むのが大切です。

そして、組み立てた通りにいかなかったけど取りきれてしまったようなときは「ちょっと失敗」と、手放しに喜ばないようにした方がいいです。

○じゃなくて△くらいのイメージ。

こうやって厳しくするのは、その配置がたまたま△でも大丈夫だった配置ってだけで、シビアなダシが求められる時に対応できなくなることを防ぐためです。

 

失敗を覚える

人間は失敗を忘れたがる生き物なので、取りきり練習で失敗したことをしばしば忘れます。

せっかく練習したのに忘れてしまうと、試合でも同じミスをしてやられてしまいますので、成功したことよりも失敗したことを覚えることが大切です。

成功については、意識しなくても人間は勝手に覚えるものなので、意識を傾けるのならば失敗です。

紙にメモするもよし、アプリにメモするもよし。

 

 

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ダシを意識して入れる練習のまとめ

意識配分については頭の使い方で、何度も繰り返して慣れるしかないです。

また、ダシ方については多く練習をして失敗、成功を覚えていくことで体系化していけば、そのうちにできるようになるものです。

最初のうちはまったく上手くいかないので辛いものがありますが、根気強く繰り返し練習していけばできるようになります。

 

前回記載した簡単な球のアベレージを上げつつ、ダシも伴えばそれはもう完全にB級だしイレもダシもできているビリヤードです。

イレだけ脳筋球入れ状態から卒業できるように頑張っていきましょう!