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球を撞いた記録と日々思うことと。ビリヤードがメインのブログです。

強いブレイクショットのための筋肉の考察

ラックシートの誕生によって昨今の9ボールでは弱いブレイクショットでも確実に的球が入るようになりました。

そのため、昨今の9ボールのブレイクショットでは、手球のコントロールと取り出しの形成に重点が置かれており、強烈なブレイクショットなんて求められていません。

でも、強烈なブレイクショットってできると気持ちいいし、ラックシートがないお店にいった時なんかには必要になることもあるので、できるに越したことはありません。

 

強いブレイクショットには当然フィジカル、筋肉が必要となるのですが、ここ最近色々研究して特に必要な筋肉がわかってきました。

テイクバックの頂点から手球までの距離を稼いで強く撞く

夏に発売したCUE'Sでは、青木亮二プロに取材を行い、強烈なブレイクショット(讃岐のライオンのブレイクショットことライオンブレイク)を勉強させてもらいました。

 

billiardblog.hatenablog.jp

 

ショットはキューと手球の衝突によって発生する、衝突時のエネルギーは質量×速度^2なので、一般論としてキューのスピードを上げればブレイクショットのスピード(≒強さ)も上がります。

ライオンブレイクでテイクバックを大きく取っているのも、テイクバックの頂点から手球までの距離を稼ぐことによって、キューが手球に当たるまでにキューを加速できる距離を増やすためです。

 

ショット時のキューの軌道も大切

ライオンブレイク特集では、精度を高めるための具体的な練習方法を記載させていただきました。

詳細はCUE'Sを読んでね、となるのですが、ハードなブレイクショットでもというか、ハードにするためにこそ精度は必要です。

 

ハードなブレイクショットは精度なんて二の次!っていう論調はわかります。

1番のどこに手球を当てるのか、といった観点での精度に関してはそうだと思います。

ただ、キューの軌道に関する精度はハードさを生むために高める必要がある要素だと思っています。

キューの軌道が上から下であったり左右方向でカーブする軌道であったりすると、力を加えたい方向と、キューの軌道と、がそれぞれいずれかの方向にずれることになります。

そうなってしまうと、キューの速度をいくら高めたところで本来持っているエネルギーの何割かしか手球に伝わらないため、ハードになるものもならなくなってしまいます。

 

キューの軌道を安定させるために

長いテイクバックからキューを出していくブレイクショットでは、肘の動作と肩の動作とを組み合わせることが必須となります。

体の構成要素の動作なので、ここで筋肉に対するアプローチが効いてくるわけです。

 

肘の動作は上下方向の撞点に影響が出る

肘の位置を固定したまま肘を伸ばして曲げて、とすればすぐわかる話ですが、テイクバックではキューが持ち上げられ、そこから肘を曲げていくことでキューが下がっていきます。

肘の動作が遅れると上から下に撞く、中心よりも上の撞点を撞いてしまうことが多く、肘の動作が早すぎると中心よりも下の撞点を撞いてしまうことが多いようです。

ただ、肘は二次元の円軌道の動作しかできないので、撞点の影響はあるものの軌道の影響は小さいように感じます。

 

肩の動作は上下だけじゃなく左右方向にも影響が出る

一方、肩は三次元に動かせるようになっているので、肩を回転させるときには上下だけじゃなく左右にも影響が出てきます。

本来、肘の動作での上下動と連動して肩を回転させることで、キューの軌道をなるべく上下方向において水平かつ左右方向において真っすぐとなることが理想です。

レール上からの軌道になるので厳密な軌道が上から下になることは避けられないですが、それでも水平に近づけたいし、真っすぐ振りたい。

しかし、肩を適当に回転させると大体左右にカーブした軌道になります。

カーブした軌道の真っすぐに近づく箇所でキューを手球にぶつけられればまだマシですが、安定性に欠けてしまうのも事実です。

 

肩の動作を安定させる筋肉は三角筋

肩の回転を安定させることでキューの軌道が手球の進む方向と一致し、強烈なブレイクに近づくことになります。

そして、肩は三角筋によって回転します。

つまり、三角筋を鍛え三角筋に対する意識を高めることで、肩の回転をイメージ通りの回転にし、キューの軌道の安定につなげることができる、と考えられます。

 

筋トレをしてマインドマッスルコネクションを発達させる

三角筋の筋トレ方法については、ネットで検索すればたくさん出てきます。

 

smartlog.jp

 

パイクプレスが自重でできるのですが、それなりに強度が高いトレーニングなのでいきなりやるのはちょっと厳しいです。

残るは懸垂やダンベル、マシントレーニングなので、自宅で鍛えるのは難しいかもしれないです。

僕は1回500円のジムに行ってマシンを使って鍛えています。

 

見出しに書いた謎のカタカナですが、筋トレをするときに鍛えられる部位の筋肉を意識して鍛えて、その筋肉を自在に動かせるようになることを示す言葉です。

よくマッチョが胸筋をピクピクさせているあれです。

本来、胸筋は脇を閉めるような動作をすれば連動して自然に動くのですが、マインドマッスルコネクションを発達させることで、腕を動かさずに胸筋だけを動かせるようになります。

 

三角筋についても、マインドマッスルコネクションを発達させることで、肩を回転させる際の三角筋の動作に対する感覚を強化できると考えられます。

三角筋の感覚を鋭くすることで、肩がイメージとは異なる方向に回転することを防ぎ、イメージ通りの回転方向に肩を回転させる精度を高めることができるのかなと。

 

三角筋を鍛えて安定した強いブレイクショット

肩の筋トレに取り組み始めてから、三角筋の意識が高まり、肩の回転に対して意識が及びやすくなってきました。

三角筋に対する意識が高まったからなのか、手球の中心を狙っているのに謎のひねりが加わってしまう、といった事案の発生頻度が最近低下してきています。

ショットパワーが純粋に手球に伝わってる感じが素直に楽しいですし、何より振った感触と結果とが結びついているのが気持ちいいです。

 

ビリヤードは肘で撞く、腕の動作で撞く、といったイメージがどうしても強いので肩の意識がおろそかになりがちです。

腕を意識してもなかなか変化しない、そんなときには三角筋を鍛えて肩の動きを改善させることでよい変化につながる可能性があります。

肩の動きが改善することで、ブレイクショットだけでなく普段のハードショットでもキューの軌道が左右にずれることによるミスが減るので、この調子で三角筋の筋トレを頑張りたいなと思います。