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球を撞いた記録と日々思うことと。ビリヤードがメインのブログです。

Cuetec(キューテック)のカーボンシャフトCynergy(シナジー)の性能レビュー

この記事がアップされる頃には終了しているイベントなのですが、2019年4月29日、30日の2日間、千葉県市川市のニッケコルトンプラザにてチームランナウトがビリヤード体験会の展示を行っていました。

ビリヤード体験会では、子供や素人の方向けのビリヤード体験(無料)があり、我が家もここで次男坊がビリヤードデビューしました。

  

 

そして、このビリヤード体験会の隅の方にて、カーボンシャフトの撞き比べというプレイヤー垂涎のイベントが行われておりまして、CuetecのCynergy(以下、キューテック、シナジーとカタカナ表記します)をついに体験することができました。

シナジーの前評判について

キューショップジャパンのサイトにすごくちゃんと書かれていたので引用しようかと思ったのですが、結構な文字数だったのでリンクを貼っておきます。

 

www.cue-shop.jp

 

要約すると

  • シャフトにテーパーがついていない(直線部分が長い)ので長いキュー出しができる
  • シャフトに球を当てた時の音が木のシャフトに近い
  • カーボンシャフトらしいパワー、スピン
  • 内部構造の工夫でトビを軽減

といった感じらしい。

シャフトに求められる良い性能をまとめたらこうなりますわなって感じです。

古くからビリヤードをしている方はキューテック(笑)ってなっちゃう傾向にあるし、僕もそちら側の人間だったので半信半疑で試してみました。

 

実際に撞いてみた結果

撞き比べではシナジーシャフトの他にハマシャフト、Revo、Igniteと撞きました。

 

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ただ、僕がシナジーシャフトにどハマりしちゃったせいでシナジーシャフトの感想です。

どハマりしてますから、個人的にはまじ最高でした。

 

パワー、スピンは木のシャフトの次元を超えている

新ラシャということもありますが、引き球も押し球もギュンギュンキレました。

 

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全然肩が温まっていないし撞点も甘かったにもかかわらずこの配置のスクラッチが余裕って凄すぎ。

 

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こういう厚い球で6割くらいの力加減で撞いてこんだけ転がるのも凄い。

強烈なパワーなので的球がすっ飛んで行くって感じで、レール際の球の受けが悪い台だと怖くなりそうだなとは思いますが、それでも弾かせたい時に軽く弾かせられる、軽くで済むから入れや精度に重点を置けるっていうのは凄くアドバンテージだなと感じます。

 

トビがノーマルシャフトかってくらい出る

前評判の表現もトビを抑制だったから怪しいなとは思っていましたが、まぁトビがすごい。

 

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この配置で図示の撞点のような逆ひねり多めの上を強く撞く時、ほぼ真っ直ぐに構えて撞いて丁度入りましたからね。

 

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こういうひっかけも、正直厚みちょっとかぶさるくらいに狙ったら入ってで、普段(solid 12 maxシャフト使用)の感覚で撞いたら1番の横、チョーク半分分離れたところに手球が当たる空振りでした。

 

ノーマルシャフト経験者だから感覚がばっちりハマった

僕は歴が長く、ビリヤードを始めた時のエントリーモデルはノーマルシャフトが主流だったのでノーマルシャフトでビリヤードを始めました。

また、今のキューを買った時に着いていたシャフトがメーカー純正のハイテクシャフトで、ハイテクとは名ばかりにトビが出るシャフトだったので、ノーマルシャフトでのビリヤードには結構慣れています。

そういうこともあり、シナジーで撞いた感触、ひねったときの手球の転がり方はイメージぴったりでとても楽しかったです。

 

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この配置を2回撞いて2回ちゃんと入れられましたしね。

このショット自体を選択することは稀ですが、これを一発で決められるってそれなりに武器になると思う。

ノーマル出身の方であったり、ハオキューにハマるような方なら俄然オススメだと思います。

 

見越しの少ないシャフト特有のミスが減りそう

思い返すと、ここ最近こういうショットの成功率がやたら低いです。

 

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球なりの押しでちょっと順をひねる、上図だと左上を撞く球で薄く外す。

これ、トビが出ない、見越しの少ないシャフトで撞くと右に手球がずれることなくカーブで左にずれるから薄く外します。

シナジーでこれを撞いた時はひねりの量を増やしてもノーミスだったので、この辺りの感覚が未だにノーマル感覚っていうことなのかもしれないし、シナジーならなんとかできるっていうのが魅力的すぎる。

 

中心で厚みを合わせて構えてから撞点を変えると丁度良い感じに

ビリヤード体験会にいらっしゃった坂本プロにシナジーを使っていただいた際に教えていただいたのですが、撞点を中心にして厚みを合わせて構えてから左右に撞点を変えるような感じにするとトビとキューの向きのズレとが丁度相殺されました。

これ、ノーマルシャフト使用時にとてもよく利用した構え方の記憶あるぞ。

 

曲線的に手球を動かしたい人にはシナジーシャフトがオススメ

シナジーシャフトはトビが出てからカーブが出るので、ひねったときの手球の動きが曲線的になります。

ある意味物理的に理にかなった自然な動き方となるので、そういった手球アクションが好きな方には本当にオススメです。

 

 

トビが少ない方がいいならRevoがオススメ

一方、近年のハイテクシャフトの主な性能であるトビの少なさを求める方にはRevoシャフトがいいと思います。

先ほどの逆押しの配置、Revoシャフトで同じように真っ直ぐに近い厚みで撞いたらかなり厚く外しました。

トビの差が凄いなって素直に感じた次第です。

 

ただ、Revoはカーボン同士を接着するためなのか、はたまた中の充填剤を繋ぐためなのか、理由はなんなのかわからないですが、シャフト内の一部に磁性を有する金属材料が使われています。

プレイ用のRevoだと真ん中当たり、BK RushのRevoシャフトだと真ん中よりもちょっと下あたりで磁石が反応します。

カーボン自体は炭素、充填剤も樹脂材料なので、本来磁石は反応するわけがないですから、何かしらの剛性が異なる金属物体がシャフト内に介在している、その部分に応力集中が起きそう、という予想が立ちます。

 

一方のシナジーですが、こちらはシャフト内のどこにも磁石と反応する箇所はありませんでした。

なので、謎の金属材料由来の問題は発生しません。

公表されている先端部分が空洞っていうのだけが強度的に気になるところですが、現状では不具合について聞かないですし、心配はしなくていいのかなと思います。