ビリログBtoA

球を撞いた記録と日々思うことと。ビリヤードがメインのブログです。

勝負に勝つための9ボールブレイクショットの考察

ブレイクショットの威力ばかりを求めてかなり長いこと練習していましたが、そういう練習をいくら積み重ねても勝負事で勝てるようにはなりません。

勝つか負けるかならもの凄く勝ちたい側の人間なので、最近は勝つためのブレイクショットの練習をしていますが、どうにもまだ結果には結びついていない最近です。

勝てるブレイクは手球と1番をコントロールできるブレイク

ブレイクショット後の1番の位置と手球の位置とを狙ったところにできればブレイクショット後の最初のショットで攻めるも守るも如何様にできます。

逆に、手球や1番のコントロールがてんでバラバラで、手球がサイドポケットに飲まれたり場外したり、1番が他の的球に隠れたり入れを狙えなかったりすると難しいです。

 

引きとひねりでブレイクサイド側に当てるブレイク

僕はヘッド側から見て右の長クッション側からブレイクを撞くので、この場合は右下の撞点で、1番の右側に当てるブレイク。

ヘッド側から見て左の長クッション側からブレイクする場合は左下の撞点で、1番の左側に当てます。

 

f:id:fumy_billiard:20190426161521p:image

 

こういうイメージ。

このブレイクの最大の利点はブレイクスピードが20キロ台でもちゃんとした形になるため、安定感を犠牲にすることなく実現できることです。

この手球の軌道を実現する厚みが何よりも大事で、これはこれで練習しないとできないものです。

 

ただ、このブレイク、通常のショットの延長感が強くてつまんないんですよ。

あと、弱すぎるとスリーポイントルールで引っかかりますし、どうにも好きになれません。

 

30キロくらいのスピードで当てて短クッションの真ん中に手球を落とすブレイク

僕がやりたいブレイクはこれ。

 

f:id:fumy_billiard:20190426161534p:image

 

こういうイメージ。

A級以上の方だと、このブレイクを手打ちであったり上半身をちょっと高くし懐を広げるだけで実現している方が多いです。

 

理想のブレイクショットで安定しない部分

実現したいブレイクを実現できる頻度は現状とても低いです。

 

上半身を上げて懐を広げるだけだとスピードが足らず1番が転がらない

体を動かせば動かすだけショットスピードは上がりますが、安定感が犠牲になります。

なので、極力体を動かさず、上半身を上げて懐を広げる程度の体の動作と手打ちで実現するのが理想です。

しかし、僕は手打ちで出せるショットスピードが極めて低いため、上半身を上げるだけの手打ちだと28キロが限界でショットスピードが足りず、1番が転がってきてくれません。

 

f:id:fumy_billiard:20190426161622p:image

 

往々にしてこんな形になります。

1番が見えていることは多いですが、見えたところで難易度が高いです。

 

また、ショットスピードが足らず、かつ台のコンディションの関係で1番がサイドポケットよりもヘッド側の長クッションに入った場合、1番がヘッド側短クッションの中央付近に止まってしまうことが多いです。

こうなるとまぁ地獄です。

 

全身を使うことで安定しない撞点と厚み

ショットスピードを出すために全身を使って撞くようにしたのですが、これだと今度は撞点と厚みの両方が安定しません。

撞点と厚みの両方が安定しないということは、手球も挙動がてんでバラバラ、1番もどうなるかわかったものじゃない、といった感じです。

手球がスクラッチや場外したり、フット側にいかなければ比較的ましな結果になりやすいのですが、どうなるかは完全に運といった状態です。

 

物理的に必要な精度を計算してみた

練習していると、撞点は意識の仕方で多少マシになるということがわかりました。

どうにもならないのが厚みのずれ。

実際どの程度の精度が必要になるのか、簡単にですが計算してみました。

 

計算の前提となる条件

手球はヘッドライン上、長クッションから手のひら約1個分に満たない程度離して置いているので長クッションから8センチ離れたところに置いているものとします。

手球から1番までの距離について、9フィート台の寸法が254センチ×128センチとのことなので、長クッションに平行な方向の長さは4ポイント分の128センチ、短クッションに平行な方向の長さは2ポイント分の64センチから8センチを減算した56センチ、とします。

 

f:id:fumy_billiard:20190426161654p:image

 

図示するとこんな感じ。

この条件で、1番の正面となる2番に手球を当てる場合と、ヘッド側から見た時の1番の正面の位置となる3番に手球を当てる場合と、の角度θについてそれぞれ計算してみました。

なお、3番の位置を選択したのは、どうにもサイドにスクラッチするときはこの辺りに当たってそうだからです。

また、計算には下記サイトのツールを使わせていただきました。

keisan.casio.jp

 

2番の位置と3番の位置とで角度は約1.0度違う

2番の位置に当てる場合、角度θは約23.6度となります。

一方、3番の位置に当てる場合、ボール1個分長クッションに平行な方向の長さが短くなるため、角度θは約24.6度となります。

角度の差は約1.0度です。

 

求められる精度は±0.2度

理想の当てる厚みは2番と3番の間で、理想の厚みから±0.2度の範囲内のずれなら手球の挙動が安定しそうです。

全身使ってブレイクスピード30キロ以上を維持しながら適切な撞点で狙った厚みから±0.2度の精度を実現する、といったところがゴールとなる。

週数時間しか撞かない人間にそんなことできるんかな。

 

ブレイク道は修羅の道

実現したい世界がどんなもんなのかというところが凄くクリアになりましたが、クリアになった分地獄感も明確になりました。

 

全身を使ったブレイクショットは好きだし、ブレイクショットが上手くなれば勝負に勝つ確率も上がります。

目指す場所は果てしなく遠い修羅の道のような気がしてならないですが、千里の道も一歩から。

今後も継続して練習します。