フロックって謝るべきなのか
狙いとは違う挙動の結果たまたま的球がポケットされたりたまたまセーフティとなる配置になったりする、いわゆるフロックという現象。
ビリヤードを始めると最初の頃に誰かしらから「フロックが発生したときはマナーとして一言謝ろう」と教わるものですが、これって果たしてどうなのか、と最近感じています。
マナーっていうのは多数派の共通認識でうんぬんみたいな、なんか観念的な話になりそうですが、ぼんやり思っていたことをまとめました。
なぜ謝るのがマナーなのか
意図とは異なる偶然によって自分にとって有利な結果を得て相手にとって不利に結果を得たのだから、せめて謝罪くらいしろ、といった具合でしょうか。
本当はこのマナーができた歴史があって成り立ちがあるんでしょうけど、おそらく数十年前の関西圏がルーツで、お金が絡むもっと暗い話も付随していると思われるので、歴史については今回は触れません。
フロックを食らった時に気が立っているとすごく腹が立つので、謝るべきというのもわからなくもないです。
でも、そもそも腹が立つのが「謝ることが当然」という文化圏にずっといるからなのでは、とも思います。
結構みんなフロック狙ってるよね
見えている球でイレのフロック狙いは殆ど見ないけど、セーフティを返すときに強打して手球も的球もわちゃわちゃするのって、フロックで難しい残りになって欲しいからですよね。
2018年の全日本選手権でもそういうショットをそれなりに見たので、戦術として機能しているものなんだろうなと感じています。
実際、ビリヤードって強打した方がミスしても渋く残りやすいし、過去にそれで試合で葬られたこともあるし、僕も何も思いつかないセーフティ返しとかは基本強打ですし。
アンドセーフティだってフロックと言えばフロック
入ればOKで入らなくても隠れる。
なんていうのはどっち狙ってるんだって話なわけで、二者択一で選ばなかった方の結果になったらフロックじゃないですか。
でも、アンドセーフティの時に謝る人いないですよね。
強打して何とか当てた結果隠れたとして、そこで謝るかっていうと、やはりそれもアンドセーフティと同じ理由で謝らなくていいのかなって思ってます。
フロックは謝罪うんぬんよりも食らった側の心持が大事では
そうは言っても9ボールで目の前の相手が狙ったポケットとはちがうところに9番が入れたりするとまぁグツるわけで。
イレのフロックについては謝った方がいいんじゃないかなってちょっと思うんですよ。
むやみに波風立てる必要ないですし。
それはフロック食らった側も同じで、むやみに波風立てないためにもフロックを食らったことについて、そういうゲームだからしゃーない、切り替えていこう、と思うことが大事だと思うんです。
9ボールはルール上フロックインが認められているし、2017年の球聖戦の決着がフロックインで双方納得しているわけだし、何よりフロックインが嫌なら10ボールやればいいわけだし。
ルールの範囲内の行為なんだから怒っても仕方ないでしょって思います。
形骸化しているけどもなくならない文化
謝る側も半笑いで謝るし、受ける側はその行為の存在の有無しか確認しない(確認できても怒るときは怒る)といった感じなので、フロックで謝るという行為は既に形骸化していると思います。
それでも、謝るのがマナーであるっていうのは確固たる文化になっていて、それをプロも推奨しているので無くならないと思います。
僕自身も、心の底からの謝罪を求められているわけじゃなくただ軽く一言いうだけで場がスムーズに進行するんだから別に無くす必要はないと思います。
逆にフロックが発生したらラッキーって喜ぶっていうのがマナーに成ったらそれはそれで楽しそうとは思いますが、紳士感が無くなるから難しそうです。
謝るべきか否かは謝るべきで、でも軽くていいし、アンドセーフティみたいな意図しているなら謝らなくてもいいって感じです。
なので、自分と対戦相手との双方がわだかまりなくできるように謝ったり意図通り感を出したり、臨機応変にこなしていけばいいんじゃないかなという結論です。