ビリログBtoA

球を撞いた記録と日々思うことと。ビリヤードがメインのブログです。

9ボール、10ボールで同じ配置が続く問題を解消に対する私見

私のレベルではこういったことは起こりえないのですが、プロのレベル、それも世界プロともなると9ボールや10ボールでひたすら同じ配置が続き延々マスワリ続ける、といった問題が生じるようです。

こういった事象のことを本記事ではパターンラックという名称で定義し、このパターンラックの問題を解消できるのではと思われる私見についてまとめます。

当ブログきってのコアな内容ですが、ビリヤードに詳しくない人は世の中にはそういった問題があるんだなぁ程度の感覚で読んでいただければと。

パターンラックがなぜ発生するのか

パターンラックが造語なのでイメージを掴めない方もいらっしゃるかもしれません。

まずは、そもそもこのパターンラックの現象がなぜ発生するのかというところから説明します。

 

ラックを組む技術が進歩し毎回同じラックが組めるようになった

これはプレイヤーやレフェリーのスキルではなく道具の進歩に由来します。

古くはタイトラックという機材、今ではラックシートというお手軽なシートを用いてラックシート上にボールを並べることで毎回同じ、全ボールがしっかり密着したラックが組めるようになりました。

 

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ラックシートというのはこの白いやつで、シートに空けられた穴にボールを載置することでラックが綺麗に組めます。

 

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こんな感じ。

 

セルフラックが主流になり毎回同じ順番にラックを組むことが許されている

昔はブレイクショットを撞かない側がラックを組むのが主流だったのですが、2010年代途中からブレイクショットを撞く人がラックを組む、セルフラックが主流となりました。

その結果、毎回同じ順番に的球を並べてラックを組むことが一般化しています。

どこに置くとブレイク後にどの辺りに転がるか、というのはある程度練習すればすぐにわかることなので同じ順番で並べれば同じブレイクを撞く限り毎回殆ど一緒になるわけです。

 

トッププロはブレイクショットを高いレベルで再現し続けられる

私のようなB級だと毎回バラバラなんていうのもざらですし、アマチュアレベルだと相当トップレベルでも多少のばらつきがあるのがブレイクショットです。

一方、世界プロともなると威力、跳ね具合、当てる場所、撞点等の各要素について、非常に高いレベルで再現し続けることができるようです。

毎回同じラックが組め、毎回同じブレイクができる。

その結果、パターンラックとなるわけです。

 

パターンラックの問題点

ルール上規制されているわけではないバターンラックの何が悪いのか。

問題点は競技的な側面よりも興業的な側面に由来するところが大きいです。

 

同じことの繰り返しで見ていてつまらない

プロの試合だと9先とか11先とか、それなりの回数ラックが組まれて終わるまでに早くても1時間ちかくかかるのですが、その間ずっと同じ展開の繰り返し。

これを面白いと感じる層っているのでしょうか。

プロの試合である以上見ていて楽しいことが望まれるわけですが、つまらないものを延々見させられるって苦痛ですよね。

 

動作が大体地味

派手なショットというのは安定性に欠けるので地味であり続けられるというのは上手だし素晴らしいことなのですが、ビリヤードの花形であるブレイクはやはり激しくいってもらいたいわけで。

パターンラックを形成するためのブレイクってルール上認められるギリギリの威力であることが多く、まぁ、地味です。

地味だけどとても難しいのですが。

 

過去に行われたパターンラックの解決策

本件に対する問題意識というのは古くからあります。

元々タイトラックが出た時にコーディ・デュエルがちっとも強くないブレイクを撞いて配置を作るとかいうやり過ぎなことをやったせいで、そこから対策が始まり、対策されるたびに攻略し、となっています。

 

ブレイクボックスルール

ブレイクショットを撞くときに手球を置ける範囲を限定するというルールです。

9ボールなら正面付近のみ。

 

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10ボールなら長クッション付近のみ。

 

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このルール、結構効果あるらしいのですが不思議と一般化されていません。

何故なんでしょうかね。

 

3ポイントルール

詳細はちょっと面倒なので概略だけかいつまむと、ブレイク後にヘッドラインを的球が3つ以上超えないとダメ、と規制することで高い威力のブレイクを引き出そうとしているルール。

ただ、そこまで高くない威力でも十分にこのルールをクリアできてしまうので、あまり有効ではないかもしれません。

 

9オンフットルール

通常、9ボールでは1番がフットスポットに配置されますが、9番がフットスポットに配置されるようにラックを組むことで、ウィングの球がポケットされる率を下げて強いブレイクを引き出そうとしたルール。

これについては、威力ではなく当て方で解決できてしまうことが発覚し、変なブレイクの練習をプロに強いただけで終わってしまいました。

 

9番(10番)以外すべてをランダムにすればパターンラックは解消する

ブレイクボックス以外どうにも上手く機能していないしものによっては廃れてしまったりもしています。

そこで、従来のやり方とは異なる方法として、9番(10番)以外のすべての的球について、ランダムに配置するといったルールを提案します。

 

1,2,9番は位置が固定されていた

今まで、1番と9番(10番)はいつの時代も配置が固定されています。

セルフラックになって2番(10ボールでは3番も)の位置も固定されました。

他のボールについては位置がランダム(セルフラックでは自分で組むので固定もできる)なのですが、この3球については位置が固定されていました。

 

これらの球の位置が固定されていたのは、以下のような理由だからです。

 

  • 1番は最初に当てる球なのでラックの先頭
  • 2番は最もよく動く最後尾にすることで1番から2番を難しく
  • 9番は最も動かない真ん中にすることでブレイクイン等を防ぐ

 

プロは、ブレイク後に最初に撞く球が処理できれば2番がどこにあってもそのまま取りきれる確率が非常に高いです。

そのため、タイトラックから現在に至るまで、ブレイクで手球の位置と1番の位置をコントロールすることがブレイクでの必須技術となっています。

 

1番を含めランダム配置にし、ブレイクは先頭の球に当てるルールに変更

1番が定位置でなければブレイクのたびに1番が異なるラインで転がることになるのでパターンラックの問題は解決すると思うんです。

1番がラックの後ろ側になったらブレイクで1番に当てられない、といった問題が生じる可能性もありますが、そこはブレイク時のみ番号によらずフットスポット上の的球に当てるというルールにすればいいと思います。

これで1番の位置は毎回変わるし、他の球もランダムになるのでパターンラックは解決するはずです。

 

必要なのはランダム配置を生成するシステム

乱数取得して抽選によって1~8番をどこに配列するか決定するプログラム、なんていうのは抽選システムの基本しか使っていないのでかなり簡単にできるはずです。

単純な抽選だけならフリーソフトでもあるみたいですし。

抽選結果をイメージ表示するプログラムと該プログラムを動作させる電子デバイスがあればいいので、導入コストはそこまで高くないはずです。

全パターン紙に印刷してくじ引きで引けばいいと思ったのですが、9ボールですら40320通りの配置があるので、ちょっと非現実的かな。

 

技術革新を生かしつつパターンラックが解消されることを望む

極端な話、ラックシートを使うのをやめて木のトライアングルでラックを組めばどこかしら歪んでぐずぐずになるのでパターンラックは解消します。

でも、これだとせっかく技術革新されて誕生したラックシートが不要なものとなってしまうわけで、それはもったいない話です。

1番は先頭じゃなきゃダメ!っていう固定観念を取り除くだけで解決すると思っているのですが、実際どうなんでしょうかね。

もし過去にこのルールが採用されてそれでもダメだったといった情報を持っている方がいらっしゃったら教えていただければ幸いです。