自分を撮影することでビリヤードの練習効率を上げる
練習だと上手くいったり課題が明確になったりしているのに相撞き等の実戦だとそれらを意識してもどうにも上手くいかない。
練習と実戦が結びついていないってことなのでしょうが、どうやれば結びつくのか。
色々考えたり試したりしている最中ではあるものの、上手くいかないとき、実戦中を撮影してみるという至極真っ当な方法で上手くいく気配がでてきました。
イメージの自分と実際の自分は乖離している
頭の中では動作のそれぞれをしっかりイメージしていて、その通りに体が動いていれば現実もリンクするはずですが、実際はイメージと異なる動作によって外れたり怪しかったりといった結果になりえます。
これはビリヤードに限った話ではなく、例えばプロ野球だと吉井理人元コーチによる斉藤佑樹選手の話という5年前の記事に同じカテゴリの話が出てきます。
せっかく結果が出ていたのに、本人は「たまたま勝てているだけ」と試行錯誤しているうちにフォームが崩れてしまった。本来なら、そこでビデオを見たりして修正するものですが、実は佑ちゃんにはあまり自分の映像をチェックする習慣がなかったんですよ。
(中略)
だから今までは自分のイメージと感覚だけで投げていたんです。当然、それでは感覚と実際のピッチングとのズレが生じます。この秋、たまたま僕が彼のフォームを映像で見ていて、それを目にした佑ちゃんはビックリしていましたからね。「え、僕、こんな投げ方しているんですか? イメージと全然違う」って。映像を踏まえたイメージトレーニングの大切さには気づいたはずなので、来季以降は変わってくるのではないでしょうか。
(引用:吉井理人(前プロ野球コーチ)<前編>「斎藤佑樹、来季の光明」 – SPORTS COMMUNICATIONS)
映像による確認を行わないというのはイメージの自分と現実の自分が乖離していって当然ということのようです。
本気で練習するなら撮影しないという選択肢はない
先日、ボードゲームが趣味の友人と食事に行き色々な話を聞いてきたのですが、その界隈では国内大会を余裕で勝っちゃういわゆる神童がいるようで。
その神童曰く他のプレイヤーは全然本気でやっていないと。
また、先日のBilliardDaysさんの3Cの世界一のプロであるダニエル・サンチェスプロへのインタビュー記事で、サンチェスプロによる森雄介プロの評価において
彼のたった一つの弱点は、おっとりしているところ。それ以外は全て持っている。彼が自分を追い込んでもっと本気で練習したら、間違いなくトッププロになれる。
(中略)
彼はまだ漫然と『ただプレーしている』という時があると思う。
(引用:ダニエル・サンチェス 3度目の金メダル - ビリヤードデイズ)
との言葉が。
こういったトッププロの視点ではなくアマチュアプレイヤーの視点、同じB級の視点であったとしても自分は全球本気になれているか、と自問自答して痛切な反省で頭がパンクしました。
本気になるというのは気持ちだけの問題じゃなく知識や経験も必要になるものだと思っていますが、少ない時間でどうにかしていかなきゃいけないんだから、少しでも高いレベルの本気を求めていかないといけない。
イメージと現実のギャップを認識していてその穴埋めに映像を用いることは必須、ということがわかっているのに撮影しない。
これって練習に本気になっていない証左だよなと気付きました。
もちろん現実があるので、ハイスピードカメラを導入であったり台の真上からの俯瞰映像の撮影であったり、といったことはできないですが、ただ映像を撮るだけなら手持ちのスマホと安価な三脚だけでできます。
できることは全部やるべきなので撮影することを決意。
ローテーション1ラック分を撮影してみた
現在の最大の目標はアマローテの初日突破なので、ローテーション1ラック分の自分の撞く姿を撮影してみました。
自分A VS 自分Bの状態なので、1人練習とはいえ真剣度や緊張感は高く、かといってガチガチではない程よい状態です。
できてると思ってたことが全然できていない
約10分の動画を見たところ、練習でそれなりにできてたから大丈夫になったのだろうと思っていたことがびっくりするくらいできていませんでした!
やべぇ、やべぇよ……!
テイクバックで引き上げている
引き球時に撞点とキューレベルを確認した時点がこの角度。
そしてテイクバック時のキューの角度がこれ。
シャフト1本分、撞点だと1タップ分くらい上がってないか?
これが押し球になるとさらに激しくなっています。
構えた時点がこちら。
そしてテイクバックの頂点でここ。
何度上がってるんだこれ。
こういう撞き方の押しだと撞点の左右のずれがカーブに直結して外れるからもの凄く危険。
手首の力みが半端ない
全ショットというわけではないのですが、ショットによってガッチガチなことがちらほら。
例えばこのとき。
もう構えた時点で力みがある。
これがテイクバックしても継続していました。
見きれちゃってるけど、手首の角度よ。
手首の力みが上述したキューレベルにも悪影響与えてるんだろうなとも思います。
ブリッジがゆるゆる
構え時とテイクバック時の写真を並べます。
構え時。
テイクバック時。
このショット自体は成功したのですが、静止して見てたら左手の緩さに気付きました。
構え時の親指の高さはこちら。
テイクバック時の親指の高さはこちら。
親指に力が入っていないせいで下がってます。
ショット中に親指がずれているってことはショット中にキューの位置がずれているのと同義なので、入ってるのもラッキーに過ぎないようです。
もっとブリッジを大切にしないといけない。
撮影して見つけたことを練習にフィードバック
テイクバックの水平性と手首の力みは治ったものだと思っていたのでショックが大きいですが、治っていないと分かった以上意識していくことで練習で改善できます。
ブリッジについては先日受けたフォーム解析レッスン(後日記事にします)で指摘された事項で、こちらはまだできていないのも残当なのですが大問題には違いありません。
抽出した事項をしっかり意識して練習にフィードバックするといった動作を繰り返して改善していきたいところです。
意識は球を入れることに極力注ぎたい
特にブリッジですが常時強く締めるだけでいいという単純な動作なので、これに脳のリソースを割きたくないなと思っています。
キューレベルやテイクバックの方向性なんかは複数の関節を用いた複合動作だから意識してもよいと思っているのですが、何のために意識するのかと言えば球を入れるために意識するわけで。
フォームはきれいなのにちっとも入らない、なんていう本末転倒なことにならないように、目の前の1球を確実に仕留める意識を何よりも大切にしていきたいです。
そのためにも練習を重ねて意識しなくてもできることを増やしていく必要があると感じました。