ビリヤード初心者の始め方2 ~初めての練習~
ビリヤードの練習って何?
友達とわいわい撞いてれば上手くなるんじゃないの?
なりません。
どのスポーツでも実戦練習の前に基礎練習があるように、ビリヤードにも当然基礎練習、1人でやる練習があります。
ビギナーの時にやるべき練習についての情報が特に枯渇しているな、と思う最近なので、今回は青木亮二プロに教わってきた最初にオススメな練習方法をまとめました。
- 本記事の前提
- 最初の練習は的球を入れるシュート練習
- 的球をポケットに入れるには?
- シュート練習1:簡単な真っ直ぐを撞けるようになろう
- シュート練習2:真っ直ぐじゃないけど簡単な配置で厚みを学ぶ
- 外した時に考えること
- イメージボールは一定なのか
- 簡単なスピンをかけてみよう
- キレ練習1:簡単な押し球スクラッチ
- キレ練習2:簡単な引き球
- まとめ
- 余談:ビギナー当時の私がやっていたシュート練習
本記事の前提
ビリヤード場でお店の方や常連さんからアドバイスをもらっているような方は、そちらに従っていただいた方が色々といいと思われます。
また、本記事ではスロウや手球の浮き具合といった、影響があるけどある程度理解しないとわかりようがない事象については記載を省略しています。
ご了承ください。
最初の練習は的球を入れるシュート練習
白い球(手球)を棒(キュー)で撞いて色のついた球(的球)に当てて、色のついた球を穴(ポケット)に入れる(シュートする)。
これが世間一般がイメージするビリヤードであるポケットビリヤードです。
(世間一般がイメージしないビリヤードもあります)
最初にすべき練習は、的球を入れる練習となります。
的球をポケットに入れるには?
正しい場所(厚み)に手球を当てることで、的球はポケットされます。
なので、的球をポケットに入れるためには、
・正しい狙いを見つける
・狙ったところに真っ直ぐ撞く
この2つが必要になってきます。
いきなり難しいことをやってもできないしつまらないしで続かないので、簡単なところからやっていくのが大切です。
シュート練習1:簡単な真っ直ぐを撞けるようになろう
まずは、真っ直ぐ撞けるようになるための練習です。
青木プロ曰く、下図のような配置で撞くといいと思われます。
真っ直ぐ撞けば1番が左下コーナーに入ります。
ポケット自体はボール2.2個分程度の広さがあるので、正しい場所から多少ずれても入ります。
まずは3連続成功を目指してみてください。
3連続コンスタントにできるようになったら5連続、9連続と回数を増やすといいかも。
難易度を上げたい場合は、手球や的球の位置を変えて手球と的球の距離を広げれば難易度が上がります。
クッションに近づくと撞き辛くなって大変なので、撞きやすい場所で練習した方がいいです。
シュート練習2:真っ直ぐじゃないけど簡単な配置で厚みを学ぶ
これも青木プロに教わったもので、例えば、下図のような配置。
左下コーナーから1番までの直線上からずれたところに手球があります。
この場合、どこを狙えばいいか?
正解は下図に示しているので、まずは考えてみてください。
この2番の位置が正解です。
こういう風に狙うわけですね。
手球方向から1番を見た際に、2番が1番に平面視で所定の面積かぶっているので「厚み」と言われます。
図で明らかなとおり、狙うのは1番と2番の接触点ではなく、2番の中心です。
1番と2番の接触点を狙うと、手球の厚みの分だけずれるので注意してください。
実際に狙う際には2番はないので、2番の場所をイメージすることになります。
なので、イメージボール(イマジナリーボール?)に向かって撞く、という表現になります。
正しい厚みに撞けなかった場合
手球方向から見て2番の位置よりも1番の左側(下図3番の位置)に手球が当たると、1番は下図の点線の方向に走ります。
また、手球方向から見て2番の位置よりも1番の右側(下図4番の位置)に手球が当たると、1番は下図の点線の方向に走ります。
外してしまった場合には、手球がどっちに当たったかを知るのが大切ですが、当たる瞬間を見逃しても的球の挙動でわかるはずです。
外した時に考えること
入ったときもですが、何故外したのかを考えるのが大切です。
考える、といっても最初は下記の2つしか理由がないのですが。
外した理由1:狙ったところに手球が当たらなかったから外れた
まず考えられるのはこれ。
一般に、プロと素人とで狙う能力についてはそこまで差があるわけではないようです。
外す理由は大体これなので、どうすれば狙ったところに真っ直ぐ撞けるようになるか、を考えていくことで実力が伸びていきます。
外した理由2:狙ったところに手球が当たったけど狙いがずれていて外れた
錯覚しやすい特殊な配置で起こるのがこれ。
これについては、狙うべき正しい厚みを覚えていくしかないです。
この配置、勘違いしやすくてよく外すんだよな、っていうのが練習していくと出てくるので、その際に都度覚えていけば大丈夫です。
イメージボールは一定なのか
一定です。
下図のように、手球がどこにあっても、当てるべきポイントは1箇所です。
手球や的球の位置によってイメージボールの見え方がまったく異なるので、撞きこんで覚えるしかないのですが、まずどこを狙えばいいのか、については一定なので五里霧中っていうわけではないですね。
簡単なスピンをかけてみよう
真っ直ぐの配置の場合、手球が無回転で的球に当たると手球は的球に当たったところで止まります。
トップスピンがかかっていれば前に転がり、バックスピンがかかっていれば戻ってきます。
先ほどの真っ直ぐ配置でも、真っ直ぐに当たれば手球と的球とを結ぶ直線上にしか手球は残らないわけです。
(真っ直ぐ配置で的球がポケットに入ったけど手球が左右に動くのは、穴の幅を使ってるためです)
トップスピン(押し球)やバックスピン(引き球)を狙ってかけられるようになると、ゴルフゲームのような挙動を実現できるので途端に楽しくなります。
スピンをかけることをキュー切れを利かすとかいうのですが、このキレ練習自体は最初からやっても大丈夫な難易度なので、ポケットに入れる練習だけじゃなくキレ練習もやっておくといいです。
なお、キレ練習については、手球の中心以外を撞くこともあり、キュー先が手球の表面を滑ってちゃんと撞けない場合(キューミス)が発生することもあるため、ビリヤード台に置かれている青い直方体の物体(チョーク)でキューの先っぽをぐりぐりやっておく必要があります。
チョークは滑り止めです。
(以下に示すスピンの練習については、私個人が最初期にやっていたものでプロから教わったわけではないです。ご了承ください)
キレ練習1:簡単な押し球スクラッチ
下図のような配置で、手球の中心よりも上を真っ直ぐ撞く練習です。
手球を左サイドに入れられたら成功。
ちゃんと上を撞く、中心以外でも真っ直ぐ撞く、といった練習になります。
押し回転が上手くかからないときは、上を撞けていないことが殆ど(構えているときは上を狙ってるけど撞く瞬間に撞く場所が下がっちゃってる)なので、ちゃんと上を撞けるように頑張ろう。
キレ練習2:簡単な引き球
下図のような配置で、手球の中心よりも下を真っ直ぐ撞く練習です。
手球を上図の矢印先端くらいまで戻せたら成功。
右サイドに手球が入ったらなお良し。
ちゃんと下を撞く、中心以外でも真っ直ぐ撞く、といった練習になります。
引き回転が上手くかからないときは、押し回転と同様に下を撞けていないことが殆ど(構えているときは下を狙ってるけど撞く瞬間に撞く場所が上がっちゃってる)なので、ちゃんと下を撞けるように頑張ろう。
この配置、ちゃんとできると撞き終わったキューに手球がぶつかるので、この配置の練習が正しいのかどうなのか、若干不安です。
撞き終わった後に体が動くのは大変好ましくないのですが、これをやるときってぶつかる前に避けなきゃなんですよね。
本当は真っ直ぐじゃなくてちょっとだけ(ミリ単位)ずらしてやるのが正解かもしれません。
なお、下を撞くときにキューミスすると手球がジャンプしていくのですが、これは撞く場所が下すぎるために発生する現象です。
これが発生するときは攻めすぎているので、気持ち上にしてもよいかも。
ちなみに、ジャンプショットの撞き方はこれじゃなく、わざとキューミスでジャンプさせるのはファールです。
(わざとの場合に限るので試合とかでミスキュージャンプで即ファールっていうことは殆どないです)
まとめ
まずは簡単なところから、ということで簡単なシュート練習とキレ練習の紹介でした。
キレ練習については、私もビリヤードを始めたばかりのころによくやっていました。
シュート練習の方は違う練習をしていたのですが、今思えば当時の練習方法は難易度が高く効率が悪かったです。
ビリヤードはアベレージが求められるスポーツで、簡単なことがちゃんとできるというのはかなり強いです。
地味な練習ですが、まずは簡単なところからやっていきましょう!
余談:ビギナー当時の私がやっていたシュート練習
下図に示す配置の、いわゆるセンターショットをやっていました。
これを15個入れたら、手球を左側にして15個入れる。
計30個入れる練習だけで30分以上かかっていたはずです。
よく、「最初の練習はセンターショット!」という記事を見るのですが、これの難易度ってそんなに低くないです。
C級になって初めてシュート率が7割超える、とかっていう感じじゃないかと。
もちろん私のようにセンターショットを最初からやってもいいのですが、もっと簡単なところから徐々にできるようになってからでも十分だと思います。