筋肉の使い方・鍛え方パーフェクト事典という最高の筋トレの教科書
ビリヤードの競技パフォーマンスを上げるために筋トレするぞ!と息巻いている最近ですが、やみくもに体を鍛えたからといって競技パフォーマンスが上がるとは考えられません。
何より、生まれてこの方ひたすら文化系の道を歩んでいたので、筋トレというか筋肉についての知識がちっともありません。
この状態で思い付くままに筋トレしても上手いこといかないだろうなと思い、筋肉や筋トレについての勉強をするために石井直方教授監修の本を買ったのですが、自分が求めているすべてが本の中にありました。
石井直方教授とは
東京大学大学院総合文化研究科・新領域創成科学研究科教授、理学博士。また、ボディビルダー、パワーリフティング選手でもある。日本ボディビル選手権大会(ミスター日本)優勝者(1981年・1983年の2回)、1982年IFBBミスターアジア90kg以下級優勝者である。
(引用元:石井直方 - Wikipedia)
理論と実践を体現しているとんでもないお方です。
私は、色々調べているときに日経goodayでの教授の連載に辿り着くことで出会うことができました。
"筋肉博士”石井直方のやさしい筋肉学:日経Gooday(グッデイ)
筋肉の使い方・鍛え方パーフェクト事典とは
筋肉の使い方・鍛え方パーフェクト事典(以下、事典と記載)は、石井直方教授が監修し、国際武道大学体育学部の荒川裕志助教授が著作した本となっています。
筋肉の紹介ページの情報量が凄まじい
筋肉の紹介ページでは、各関節の動作ごとに作用する筋肉や筋体積ランキング、代表的なスポーツ動作等が最初に記載されており、1つ1つの筋肉についてもその特徴について詳細に記載されています。
例えば、肘を曲げる(屈曲)する動作であれば、筋体積ランキングとして以下のようなグラフが添付されています。
(グラフ内数値は本記事用に私が作成したイメージです)
グラフによりどの筋肉が最も作用しているかが一目でわかります。
代表的なスポーツ動作についても、このスポーツ、ではなく、このスポーツのこの動作、といった具合で特定されているので非常にわかりやすいです。
例えば、肘関節屈曲の代表的スポーツ動作はテニスでトップピンをかけるスイング、と例示されています。
関節の動作ごとに適切な筋トレが紹介されている
筋トレの紹介ページでは、関節の動作ごとに筋トレが紹介されているので、パフォーマンスを上げたい動作に対応する筋トレをすぐに調べることができます。
1ページに2つ、3つの筋トレについて記載されていて、各筋トレにおいて筋トレの効果がでるメインの筋肉と、ある場合にはサブの筋肉と、について記載されています。
ビリヤードのストローク動作に近い動作を行う筋トレであるハンマーカールでは、メインは上腕筋と腕橈骨筋、サブは上腕二頭筋とのこと。
なお、1ページに2つ3つ筋トレの種目が記載されているということから、各筋トレのやり方については簡単な記載しかありません。
幸い、世の中には筋トレの種目ごとに多様な情報が溢れているので、やりたい種目を本書で決めてから筋トレブログなりyoutubeなりを見ると良さそうです。
一般的なスポーツであれば動作ごとの関節トルク、筋出力が載っている
事典の終盤には、一般的なスポーツ動作における関節トルク(※)、該関節トルクを発生させる筋肉の筋出力が載っています。
例えば、ジャンプであれば最下点まで沈んでから離地するまでの加速中に股関節を伸展させる関節トルクが最も強くなり、この時に大殿筋やハムストリングの出力が強くなる、といったことが図示されています。
事典に載っているスポーツをやってらっしゃる方であれば、自分が苦手な動作にピンポイントで対応できる筋肉を知ることができるのではないでしょうか。
なお、当然のことですが、ビリヤードは載っていないです。
※関節トルクというのは、関節がてこの原理で動く関係で、支点となる関節に発生する回転力のことを指しているそうです。
肘関節屈曲であれば、支点は肘、力点は上腕二頭筋が前腕に接続される肘の近くの前腕、作用点は手、となり、上腕二頭筋が肘を支点にして前腕を動かす力が関節トルク、とのことです。
スポーツの競技パフォーマンスを上げる筋トレに適した事典
本書は、1つ1つの関節動作に寄与する筋肉、該筋肉を鍛える筋トレについて詳細に記載されています。
また、各関節動作について複数の例示をすることで、記載されていないスポーツの動作についてもどのような関節動作から構成されているかを把握することができ、筋トレまで繋げることができます。
知りたい関節動作を本書で調べ、調べた関節動作に必要な筋トレを本書で調べる、まさに筋肉の使い方・鍛え方の事典で、タイトルの通りパーフェクトです。
スポーツにおいて競技パフォーマンスを向上させるために筋トレをするならば、本書を読んで勉強すればより効果的な筋トレができるようになると思われます。
私は、本書のおかげで自分がやるべき筋トレを見出すことができました。