ゴリラへの憧憬5 ~キュースピードを上げる筋トレ~
キュースピードが欲しい。
キュースピードがあれば、ブレイクは暴力となりスピンによる手球の挙動は物理を超越する。
キュースピードさえあれば、爆発音を場内に炸裂させるブレイクと摩擦により白煙が上がる強烈なスピンの前に相手はたちまち白旗を上げる。
そんな妄想に囚われている。
キュースピードへの渇望
キューを振る際のキューのスピードが、キュースピード。
キュースピードを上げるためには、何よりも前腕の筋肉が必要である。
キュースピードへの渇望は、イコールで筋肉への渇望となり、それはゴリラへと繋がっている。
マッチョの象徴としてのゴリラであるが、ゴリラは本来森の聖人であり、争いを好まず、その理性によって生み出したドラミングにより平和的に物事を解決する。
ドラミングによる解決とは、音の大きさこそが正義ということ。
音というものは、空気の振動によって発生する。
戦いに勝つためにも、ゴリラは自らの胸をより強く、より激しく叩き、肉体と空気を振動させねばならず、今日も野山を駆けジャングルを縦横無尽に走り、そして腕の筋肉を鍛え上げる。
この辺り、いかに聖人といえどゴリラは所詮ゴリラだな、と思わざるを得ない。
音の大きさなどという筋肉のみに依存する原始的な所作によって争いに勝敗がつくのだから、聖人だなんだといったところで結局のところマッチョが正義でありゴリラは筋肉のアイコンだ。
話を一般成人男性たる私に戻そう。
キュースピードを向上させるためには筋肉が必要で、筋肉はやはりトレーニングによって増強される。
今回、キュースピードを上げるための筋肉トレーニングについて、ちゃんとしたことをここに書こうと思う。
このブログはビリヤードのブログであってゴリラのブログではないのだから。
キュースピードのための筋トレ1:パワーボール
パワーボールを知っているか。
多くの方は知らないと思うし、字面で判断するとスピリチュアルの臭いがして嫌悪感を抱くかもしれないが、ここには精神性はなく厳然たる筋肉の話だ。
パワーボールとは、こういうものです。
商品の見た目だけだと、おもちゃみたいですね。
公式サイトには、下記のような説明が載っています。
NSDパワースピナーとは、ジャイロの原理を応用したトレーニング器具の事です。パワーボールの歴史はとても古く、1960年代にアメリカで誕生しました。
使用中に蜂の羽音のようなうなりを上げることから、当初の名前は「DYNA BEE(ダイナビー)」という名前でスポーツ選手のトレーニング器具として、または子供のおもちゃとして流通していました。
NSDパワースピナーは1993年から20年以上もの歴史の中で生み出されたハイテク技術により、現代のトレーニングにマッチしたジャイロエクササイズマシンの唯一の正規メーカー商品です。
NSDパワースピナー製品の設計は、オリジナルデザインを始め、野球選手、ゴルファー、テニスあらゆる種類の選手達の改善に役立ち、その前腕と手首の強化ツールとして進化し続けています。
反復ストレス傷害と手根管症候群の方による、リハビリとしてNSDスピナーの使用例があります。
(引用:NSDスピナーとは - NSD SPINNER パワーボール 輸入総代理店)
使い方は、こんな感じ。
これを起動させて手首を回すと、中の黄色いボールがジャイロ回転して手首に負荷がかかる、というものです。
どこで見たかは忘れたのですが、スヌーカーの選手がキュー切れを上げるためによくやっているんだとか。
時間があるときにやっているのですが、指や前腕にかなりの負荷がかかります。
これを続けることで指筋や前腕の筋肉が鍛えられ、キュースピードが上がりそうです。
キュースピードのための筋トレ2:チューブトレーニング
先日、人間界における筋肉のプロである理学療法士の方に、どうすればキュースピードが上がるのか、どうすれば前腕を速く振れるようになるのか、と尋ねてみた。
すると、一端を固定したゴムチューブを掴み、素早く肘を曲げることで引っ張る、ということを繰り返しやるといい、と教えていただけた。
風呂の中で肘を曲げるのは?と聞いたら、それもいいけど反発がある方がより効く、とのこと。
過去の記事で書いたこともあながち間違いではなかったようだ。
(過去記事はこちら)
ゴムチューブによる負荷をかけた筋トレ。
ゴリラもまた、よく曲がる樹に登り、樹を曲げることで自らの体を鍛えているが、これはきっとゴリラ界の筋肉のプロであるゴリラが発見したのであろう。
弾力を有する物を用いたトレーニングというのは実に良さそうだ。
早速、現代の密林、Amazonでゴムチューブを購入した。
負荷は軽くていいので一番柔らかいピンク色のソフトを購入。
まだまだポニョである以上、そこに可愛さが漂うことになっても仕方がない。
これの一端を足で踏み、他端を右手で持ち、親指を正面に向けた状態から肘を曲げてみた。
ちなみに、このピンクの可愛いチューブ、1メートル伸びた際の負荷が約6kgとのこと。
手を曲げきった瞬間、ゴムの弾力で手を元の位置に戻されました。
貧弱だ、と思うかもしれないが、みなさんは6kgのものをぶんぶんぶん回せるんですか。
6kgですよ。2Lペットボトル3本ですよ。
それを高速で振り回してスカした顔ができるんですか。
絶対スカしてないでしょウホッとか漏れちゃってるでしょそれ。
歯を食いしばりながらどうにか100回曲げてみたのが土曜の夜。
これを書いている月曜日現在、前腕の筋肉痛が半端じゃない。
これはめちゃくちゃ効いてそうだ。
キュースピードアップの証明について
今はトレーニングを始めたばかりなのでどうにも証明できないが、今後の朝活報告の中でキュースピードが上がったかどうかは証明できると確信している。
筋トレは一般に成果が出るまで3ヶ月の期間を要するとのことなので、キュースピードが上がるか、それともただ前腕だけが太くなったアンバランスなポニョが誕生するか、年明けに報告したく思う。
ゴリラのドラミングが止まぬように、今日も旅路は続く。