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球を撞いた記録と日々思うことと。ビリヤードがメインのブログです。

台上のラックシートって誰が取るべきか

ラックの組み具合はゲームにもろに影響することからラックをちゃんと組みたい、というプレイヤーの要望によりタイトラックが生まれ、タイトラックの導入コストの問題からスポットシールが生まれ普及したのが2000年代初頭。

定期的な貼り直しが必要になることや台上に常時シールが貼られていることで球の挙動に影響を及ぼすこと、というスポットシールの問題点を解消したのが日本発のラックシートです。

単価も安いことから最近では大体のビリヤード場に普及し幅広く使われていますが、ブレイク後台上に残るラックシートは誰が取るべきなのでしょうか。

 

 

 

ラックシートとは

 

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写真のラックシートはタートルラックシートと呼ばれるもので、シートの穴にボールをセットするだけで9ボールや10ボールのラックを簡単に、しっかり組んでくれます。

 

ブレイク後に台上からどかせばその後のプレイにも影響が生じないし、そもそもシート単価も高くないので素晴らしいmade in Japanです。

形状は他にもスイカバーみたいな形で最も一般的なマルチラックシート、15個対応のフルラックシートというのもあります。

 

また、ラックシートの出始めの頃には穴ではなくシート内の空間にボールを配置していくソリッドラックシートなんてものありました。

初めてソリッドラックシートを使った時はスポットシールがなくても綺麗なラックが組めることに感動したものです。

 

台上に残ったラックシートは誰が取る?

1人で撞いているときは撞いている人が取ればいいだけの話ですが、2人以上でビリヤードをしている場合にはブレイクをした人とブレイクを見ていた人(人たち)とが存在します。

 

Twitterに投稿してみた結果

自分の意見を入れることなくTwitterにて呟いてみました。

 

 

リプライいただいた範囲だと、ブレイクした人が取るが主流派で、ブレイクを見ていた人が取るもいないわけではない、といった感じでした。

 

ブレイクをした人が取る

昨今はセルフラック(ブレイクをする人が自分でラックを組む)が主流ですし、ブレイクをした人がブレイク後にラックシートを除去する、というのは自然なのかなって思います。

ブレイク後に体を前に流してそのままに取りに行けばいいだけですし、そんなに手間がかかるわけじゃない。

 

ブレイクを見ていた人が取る

ブレイク後に体を前に流すのが当たり前というわけではないし、残身を長く取ったりブレイク後の配置をその場で眺めている人もそれなりにいるので、次のプレイに移るまでの間にブレイクを見ていた人が取る、というのも自然な流れだと思います。

リプライでいただいた意見なのですが、撞く人のプレイ代をラックシート除去に捌かせるのを防ぐために撞いていない側が除去してあげるという文化もあるようです。

 

誰が取るべきかプロに聞いてみた

リプライでもプロルールがあるってお話を伺ったので、某プロにお会いした際に誰が取るべきなのかを聞いてみました。

なお、某プロはそこまで自信がないとのことで、名前出しNGとのことです。

 

ブレイク後に撞く人が取る

ブレイクの後に撞く番となった人が取る、が正解ではないか、とのことでした。

ブレイクで的球が入ればブレイクした人ですし、ブレイクでノーインだったりイリーガルだったりすればブレイクを見た人です。

 

NBAのルールと照らし合わせても正解

社団法人日本ビリヤード協会が定めるルールブックには、下記のようなルールが記載されています。

 

第8章 プレーヤー
第1条 プレーヤーは競技中に以下の事項に該当することを行ってはならない。
第3項 対戦相手がプレー中に、決められた席を離れること。

(引用:NBAルールブックの8ページ目(※PDFファイル)

 

撞く番じゃなければ席についていなければならないことから、撞く番の人が台周辺に滞在できることからラックシートを取る、撞く番じゃない人は席で待機している、が正解のようです。

 

私個人の意見

ここまでで極個人的に調べた範囲をまとめましたが、ここから私個人の意見。

 

某プロが教えてくれたルールが最適

某プロが教えてくださったブレイクの後の撞く番の人が取るというのが一番妥当だと思っています。

以前、ラックシートの除去時に9番が動いちゃって、ラックシートを取った人のファールと判定されたことがあったのですが、これが撞く番じゃない人のファール扱いだとなんだかよくわからない展開ですよね。

なお、この件について某プロは「それはファールじゃなくて手で現状復帰が主流なはず」とおっしゃっていました。

 

対戦相手と相談して先に決めちゃうのが理想

総論ではブレイク後に撞く番の人が取るというのが正解だと思いますが、ラックシートの除去については明文の規定もなくローカルルールが色々ある話です。

対戦相手の方と予めコンセンサスが取れるなら、撞く番に限らずブレイクした人が取るとかブレイクを見ていた人が取るとか先に決めちゃえばいいのかな、とも思います。

いずれにしてもラックシートを取る行為によって対戦相手のリズムを乱してしまうようなことがないようにすべきです。

 

試合なら先に主催者がアナウンスして明確にしてほしい

ラックシートが主流になってからいくつか試合に出たことがありますが、この部分についてアナウンスがあった記憶がありません。

誰が取るべきなのか今取りに行くべきなのかといちいちモヤモヤするのもつまらないですし、いざ取りに行って相手の邪魔をしてしまっては申し訳がないですし、試合のルール説明時にちゃんと説明してほしいです。

この際に、ラックシート除去時の球触りについても説明もらえると助かるな、とも。

 

正解はあるが最適なやり方を

結局のところ、ラックシートを誰が取るかというのはゲームに大きく影響を与える要素でもないし、マナーという話になるかならないか程度の問題に過ぎません。

ブレイク後に撞く番の人が取るという正解はありますが、当事者同士が納得できる最適なやり方を採用するのが一番平和だと思います。

厳密性を説いたり主張がぶつかり合うようなときには正解を持ち出して話し合うのがいいかもしれません。

 

余談:ラックシートの取り方について

普通は角っこをつまんで持ち上げて取ると思うのですが、ブレイク後にシート上にボールが乗ってしまったときに、テーブルクロス引きの要領で引っ張って取る人が稀にいます。

強引に引っ張る取り方をすると、ラックシート内の穴にボールが引っかかってラックシートに強い力が加わり、ラックシートが破けることがあります。

お店の備品を破損する虞がある行為ですし、引っ張って取るのはやめましょう。

 

シート上にボールが乗っているけどシートを取りたいときにはボールを持ち上げて取ればいいだけです。

配置の厳密性を求めるならボールマーカーを使うといいです。