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球を撞いた記録と日々思うことと。ビリヤードがメインのブログです。

ビリヤードにおける完封について

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ビリヤードは、自分が球を撞いているときに相手はただ見守るだけで、相手が撞いているときに自分はただ見守るだけ、という対戦種目でありながら相手に直接介入できない類を見ないスポーツです。

こういった性質であるため、完封できてしまうこともあり、この点ってどうなの?という話を先日Twitter上でフォロワーさんとやり取りしました。

 

 

 

ビリヤードにおける完封とは

2007年の9ボール世界選手権でフランシスコ・ブスタマンテが達成していましたが、9先の試合で9連続マスワリ、といった具合の、最初のバンキング以外1回も相手に撞かせることなく勝利することを本記事では完封と定義します。

(動画は探したけど見つからず。当時映像で見た記憶があるのでこれ自体は実際にあったことです)

私自身は2先で1回だけこういった経験をしたことがありますが、2先ならさもありなんですね。

 

完封の是非

最初のバンキングで勝てば自分が完封でき得るわけだからルールとしてはフェアだなと思うし仮に自分がこれを達成したら最高の気分になれそうだなって思うので、完封が是か非かと聞かれれば是なのですが、こういったゲーム性というのはあまり好まれるものものじゃないのかもしれないな、とも思います。

先日のTwitter上での話ではルールが悪い、という結論になったので、完封が起き得るルールというのを改善するのがいいのかもしれません。

 

交互ブレイクの問題点

ラックを取った方がブレイクできる、といういわゆる勝者ブレイクのルールが完封を生む原因になっているので、ここの部分を改善するだけで完封を防ぐことができます。

代表例がブレイクは1回交代というルール、いわゆる交互ブレイクでしょうか。

これにすれば完封は起きえないのですが、これだけだと片手落ちだなって思うんです。

理由はこちらの動画。

 


栗林 達 (Toru Kuribayashi) vs 柯秉逸(Ko Pin-Yi) 日台プロビリヤード エキシビションマッチ 2014

 

最初の9ボールの試合を見ていたければわかると思うのですが、交互ブレイクで互いにマスワリし続け、バンキングで先行だった栗林プロが勝ち、という。

柯秉逸も撞いているしマスワリしているけど、これじゃ完封と何も変わらないし、これで良しとしたルール設計にちょっと笑っちゃいました。

 

デュースと試合時間

ヒルヒルになったら2ラック以上差がつかないと勝ちにならない、いわゆるデュースを採用すれば完封については発生しなくなると思うんですよね。

ただ、上記の動画の通り、完封が発生し得るいわゆるトッププロ同士の戦いだと、デュースを採用することで試合がいつまでも終わらなくなる、といったことが起こりえそうです。

ビリヤードの試合は1日のうちに何試合もするのが普通で、あちこちでデュース地獄が発生するととてもじゃないけど試合が終わらなくなりそうで、非現実的な感があります。

 

そもそも完封が発生し得る9ボールが簡単すぎる?

考えていくとこういう結論になっちゃうのかな、と。

市民権を得ている種目ではありますが、上級者ともなると簡単すぎるのかもしれません。

今年のジャパンオープンが10ボールだったりするのも、こういった事象が絡んでいるのかも。

 

9ボールを簡単だと思えない私のようなレベルだと完封とか起きえないですし、完封が起きえる種目で争わなければいい、というだけの話なのかもしれません。

 

一度でいいから完封してみたい

最初の先攻後攻決めるじゃんけんみたいな部分で負けたら最早何もできない、っていうのは文字で見るとちょっとなんだかなって思います。

でも、ほかの種目ではこういった完封ができないことを考えると、ビリヤードだけに与えられたものなんだからこれはこれでいいんじゃないかな、と思っちゃうんですよね。

他の種目でもできることならば他の種目をやればいいわけで、ビリヤードにしかないっていう点を魅力として捉えたい。

 

勝者ブレイクの9ボールでの完封だけに限らず、14-1の100点撞き切りなんかでも対戦相手を1時間近く座りっぱなしにできるんだとかで、完封ってやられた方にしてみれば堪らないでしょうけど、やってる方になることができれば凄い感覚を味わえそうです。

生涯一度でいいから味わってみたいもので、そのためにも練習あるのみですね。頑張ります。