ちゃんとした日本語の話と誤記の話
Twitterでぐずぐずな日本語表現している人間が何言ってんだって突っ込みたくなる気持ちはわかりますが、それはそれでして。
ブログのような長文で、まじめな内容について書く場合には、ある程度ちゃんとした日本語を使った方がいいのではないか、という風に思っています。
私自身がちゃんとできている確証はありませんが、今回はやりがちな記載ミスや文章表現を書きだすことで自戒を含めてまとめます。
また、文章の話なので誤記をどうやって潰すのか、という点についてもまとめようと思います。
自前のブログでの誤記ならいいですが、寄稿する際に誤記があると品質としてよくないので、ご参考になれば。
ちゃんとした日本語とは
本記事で取り扱う「ちゃんとした日本語」というのは、「は」を「ゎ」と書くんじゃないよバカ、といった次元ではなくて、正確性が高く多義性が低い明瞭な日本語、といったもうちょっと踏み込んだ次元を意識しています。
技術文書に近い話ですが、ブログであってもある程度は同じような話ではないかと思います。
なので、雑記、口語体であることが好まれる場合には向かないですし、本記事にまとめるような突っ込みを入れていくと友達がいなくなります。
口語は雑でいいと思っているので、「あれをそこにこうしといて」とか言って怒られています。
形容詞を雑に使うと文意が不明瞭になる
そもそも、文章において名詞だ動詞だ形容詞だ、なんてことはあまり考えないと思われます。
そういった中で思いつくままに書くと、下記のような例文になることがあります。
例文1:茶色い犬小屋の中の犬
茶色いのは犬小屋でしょうか?それとも犬でしょうか?
前後の文脈があればわかり得る文章ですが、これ一文だとどうにもなりません。
茶色い犬小屋の中にいる犬、であったり、犬小屋の中にいる茶色い犬、であったりにすればよさそうです。
両方茶色いなら茶色い犬小屋の中にいる茶色い犬、と多少くどいけど2回書くといいかも。
表現が偏ると矛盾した文章になる
一人称視点の文章で勢いよく書いていると下記のような矛盾した文章になりがちです。
例文2:1限の授業が行われる部屋に行ったら、休講だったらしく誰もいなかった
すっと入ってくる文章ですが、穿って考えていくと書き手の人間がいるので誰もいない、というのはおかしい話です。
この問題、一人称視点ではない場合であっても強調表現をするときに発生することがあります。
例文3:南禅寺の紅葉は日本のどこにもないくらい美しい紅葉だ
南禅寺というのは、京都にある紅葉が有名なお寺で、石川五右衛門が「絶景かな、絶景かな」と言ったというくらい紅葉が綺麗です。
季節になると夜にライトアップされて、昼見ても良し夜見てもまた良しとなって非常に素晴らしいわけです。
関西圏の方には是非行ってもらいたいと思うようなお寺ですが、京都、つまり日本にあるんですよね。
複数の名詞の間に修飾する言葉をいれることで不明瞭に
例えばですが、こんな文章。
例文4:千佳と仲良しの祐介と奈々子
全員仲が良いのか、千佳ちゃんと祐介くんが仲良しで添え物の奈々子ちゃんなのか、祐介くんと奈々子ちゃんが仲良しで千佳ちゃんは添え物なのか。
どっちみち祐介がモテモテなので腹立たしいですが、そういうことではなく、同レベルの要素を並列に書く際には修飾する言葉を控えた方がいいです。
ちゃんとした日本語のまとめ
前後の文脈や一般常識を用いれば内容が不明確になるとは言い難く感じるかもしれませんが、いかようにも取れる文章というのは本意とは違うところで火種になり得るので、書きたい文章によっては意識することが大事なんじゃないか、と思う次第です。
逆にこの手の不明瞭な記載を駆使してミスリードを誘ってみるのもアリだとも思うので、結局は状況次第なんですが、自覚しているか無自覚かという点は大きいので、ふとしたときに意識してみるといいかもしれません。
ただ、冒頭にも書きましたが、例文2,3みたいな話を口語でやると本当に友達を失うので、文章だけに留めるのがいいと思います。
なお、英語翻訳を意識した場合には、短い文章を心がけたり、「象は鼻が長い」のような主語が不明確な文章を書かないことを意識したり、といったTipsがありますが、ブログの場合英語翻訳なんてしないでしょうし、あまり気にしなくてもいいかなと思います。
誤記の潰し方
話変わって誤記の話。
長文を勢いで書いてるとちょいちょい発生するのが誤記。
タイプミスであったり、変換ミスであったり。
これから偉そうなことを書く当ブログでも散発しています。
大体1500文字に1回くらいの頻度で誤記する人間なので、1記事あたり1個以上あるのは必然なのですが、できれば発生させたくない、発生したとしてもすぐに消したいと思うものです。
自分で書いている文章は脳内補完しがち
他人の文章だと誤記にすぐ気付くのに自分の文章だとなかなか気付けない理由はこの脳内補完に尽きます。
特に、書き上げたばかりだと脳内に文章の記憶が残っているのでなかなか見つけることができません。
脳内の記憶をリセットできれば見つけやすくなるので、手っ取り早いのは書いてからしばらくした後に読み直すのがいいのですが、文章校正のためだけにそこまでの時間を取ることも難しく。
できればすぐに直したいところ。
表示媒体を変えると誤記が浮き彫りになりやすい
書き込みをしている媒体と読む媒体とを変えることで誤記が浮き彫りになります。
一番確実なのは紙に印刷して読み直すこと。
私は特許屋で、事務の方に最後の誤記チェックをお願いしているのですが、事務の方は皆紙に印刷したものを読んでいます。
紙への印刷が面倒、という方はPCで書いているならアップしたものをスマホで読み直してみるだけでもずいぶんと誤記を見つけやすいです。
当ブログにおいては、プレビューができないこともあってアップ後にスマホで読み直しを行っています。
そして、修正できる状態になり次第修正する、といった具合で誤記を潰しています。
誤記潰しのまとめ
脳内補完をどうやって解すかという点が大事で、消すためには書いているときと読むときとで表示媒体を変える、というのが一番手っ取り早いです。
校正は、確認作業ではなく品質向上のための一工程、と思うことで、やる気も起こるのではないでしょうか。
ブログだけじゃなく、仕事で書く仕様書や学生さんのレポートにおいても適用できる話だと思います。
ブログ界隈ですと、寄稿のような他者に納品し自分の場所以外に公開するような文章で誤記があると、納品した相手からの評価だけではなく、この人は品質に対する意識が低いのかな、と寄稿した文章を読んだ人にも悪いイメージを与える虞があります。
せっかくいい内容を書いてもこんなつまらないところで足を引っ張られたらもったいないですし、面倒ですが誤記潰しをやることをオススメします。