ビリヤードのルールやマナー、9ボールの簡単な説明
ビリヤードってルールがわからない、という話を先日ブコメでいただいたのですが、確かにちょいちょい聞く話だな、と思います。
白い球を棒で撞いて色の撞いた球を穴に落とせばいい、というのはビギナーさんもご存じだとは思うのですが、ファールの内容やファール時の扱い、そもそも最初の配置なんかもわからない方が多いようで。
台に置いてある布きれや青い直方体なんかも謎の物体なんだろうな、と思います。
今回は、そういった初見時におけるビリヤードの謎をまとめようと思います。
これを読んで楽しく遊んでもらえれば幸いです。
全ゲームに共通すること
ビリヤードには、9ボールや8ボール、ローテーション、14-1、と色々な種目があって、そのそれぞれでルールが異なるのですが、まずは全種目で共通することから記載していきます。
どのボールを撞く?
白い球と色と数字が入った球とがありますが、棒で撞くのは白い球です。
白い球のことを手球、色と数字が入った球のことを的球、棒のことをキューと言います。
的球は、最初の順番を決めるとき以外は撞くのはマナー違反です。
その理由は書くと長くなるので割愛しますし、順番きめの話もじゃんけんで事足りるので省略しますが、撞かないに越したことはありません。
手球を撞きましょう。
謎の青い物体は何?
台の上にちょこんと置かれてるこいつ。
これはチョークです。
学校で黒板に文字を書く際のあれとほぼ一緒で、違いは研磨剤が混ざっていることです。
あれをキューの先っぽに塗りつけることで、手球の端っこを撞いてもちゃんと撞けるようになります。
真ん中を撞いてるときはあまり必要ないですが、毎ショット前に塗るようにすると塗り忘れないので確実です。
布きれは何?
お店によって置かれてたり長さが違かったりしますが、大体のお店には台の上にこういうのが置かれています。
これは、ブレイクショット(一番最初に撞く強いショット)の際に、手球の下に敷く、座布団と言われる布です。
これを敷くことで、台の布の摩耗を防ぐ効果があるので、マナーのために敷くことが推奨されています。
どうやって構えるの?
それについては、いろんなところでまとめられているので、例えば下記の動画なんかはわかりやすいかと。
やってみるとわかると思いますが、日常まずしない体勢、動作なのでまぁぎこちないです。
そのぎこちない動作が正解なのでめげずに。
どうやって待ってるのがいい?
相手が撞いているときは暇なので待つ必要があるのですが、その際は座って待っているのがスマートです。
立って待っていると、他の台で撞いている方の邪魔になり得るのであまりよくなく。
また、ラックを組むときや色々でキューを手放す必要が往々にしてありますが、椅子の周りに用意されているキュー立てにキューを立てるようにした方がいいです。
こんな溝にキューを立てるのがいいです。
ラックを立てるときだったら台の上に置いちゃうのもアリです。
台に立て掛けるのはキューが倒れる可能性が高いのでやめた方がいいです。
過去に、台に立て掛けたキューが倒れ、床にたたきつけられた際に持つところから裂けるように折れたのを見たことがあります。
こうなると弁償とか発生し得るし、お店の厚意で弁償を免れてもしこりが残るでしょうし、そういったリスクは未然に回避するのが良いです。
9ボールの簡易ルール
いろんな種目がありますが、広く一般に親しまれている9ボールについてざっくりと記載します。
これから書く9ボールも含めてですが、ほかの種目についても下記サイトにルールの詳細が載っているのでそちらを見ていただいた方が正確にわかると思われます。
最初の配置
こんなひし形を組むわけですが、
これを組む際に、昔はこの木の三角形を使っていました。
でも、これで組むのって結構大変なんですね。
最近は、この大変さを解消するアイテムとしてラックシートなるアイテムが誕生しています。
これです。
これは、お店によってカウンター内だったり台に備え付けだったりするのですが、台にない場合は店員さんに「ラックシートありますか?」と聞くと、この人ビリヤード知ってるな、という印象を与えながらゲットすることができます。
ラックシートの上に、1番から順にボールを置いていきましょう。
1番はこのシールの上に置きます。
9番を真ん中に、
他の球はどこに置いてもいいのですが、2番を後ろに置くのが最近の主流です。
理由は長くなるしビギナーさんにはよくわからない話だと思われるので割愛します。
第1打はどこから撞けばいい?
下記図の下記エリア内だったらどこからでもOKです。
下の大きめの黒丸が1番があるところです。
最初は真ん中から撞く方が無難です。
慣れてきたら端っこから撞くと、ひし形のサイドの球がポケットされやすいので吉です。
この後はどうすればいい?
台上の一番数字が小さいボールに手球を当てれば基本的にセーフプレイです。
何かしらの的球が穴に入ればプレイ続行、何も入らなければ交代です。
そして9番を入れた方が勝ちです。
途中何個入れようが9番を入れた人が勝ちなんです。
一番数字が小さいボールに当たった後、他のボールにあたって、該他のボールが穴に入ってもOKです。
なんだったら1番に手球を当てた後、1番が9番に当たって、9番が穴に入ったらその時点でその人の勝ちです。
ただ、そればっか狙うと球当てゲームになっちゃってビリヤードじゃなくなっちゃうのであまりお勧めしません。
以上が、9ボールの基本的なルールです。
簡単だけど、とにかく9番で勝敗が決まる辺り、なんか理不尽ですね。
9ボールのファールプレイ
次に、9ボールのファールについて。
色々あるし、この辺りの処理の仕方がわからないのが倦厭されるところなのかなぁと個人的には思っています。
大前提として、ひどいことは大体ファールです。
ファール1:一番数字が小さいボールに最初に当てられなかった
例えば、台の上に1番があるのに先に2番に当たっちゃったり、そもそも1番にも何にも当たらなかったりした場合はファールです。
このルールがないと、みんないつでも9番狙いにいっちゃいますしね。
9ボールの場合、ちょいちょい下記図のようなことがあって、ファールが誘発されます。
ファールしても仕方ないと思いましょう。
私だってしょっちゅうファールしています。
ファール2:手球がポケットに入っちゃった
的球に当たった後の手球がポケットに入っちゃったらファールです。
このファールのことをスクラッチと言います。
これもよくある話です。
ファール3:ボールに触っちゃった
撞こうとして手がボールにぶつかったりするのはファールです。
ファールですが、これでファールにして興醒めするようなこともあると思うので、そういう際は仲間内で手で戻せばセーフとか決めてやればいいと思います。
ちゃんとしたルールだと絶対ファールなので戻せばOKとかはTPOに合わせて。
ファール4:的球に当たった後手球も的球もクッションに当たらなかった
これが一番マイナーなファールですね。
例えば、下記のような配置で下記のような挙動をした場合です。
1番も手球もクッションに当たっていないので、この場合はファールになります。
また、当たる対象はクッションである必要があるので、1番が2番に当たったとしても1番、2番、手球のいずれもがクッションに当たらなかったらファールです。
このルールがないと、ちょこんと撞いて手球と的球をくっつけるとかやりだす輩が出てき得るので、そういった悪意を排するために必要なルールです。
ただ、これも適用すると興醒めし得るので、TPOに合わせて採用すればいいと思います。
ファール5:両足が地面から離れた状態で撞いちゃった
実はこれ、ファールです。
プレイヤーがどうにかして片足を付けた状態で撞くのはこれが理由です。
ところで、なんでこれがファールなんでしょうね?
ファール6:2度撞き
手球と的球が近いとちょいちょい発生しています。
どういうときが2度撞きかわからないと思われますが、撞いた後の手球が的球に当たった後も撞いたときの速度で転がっていったら2度撞きのことが多いです。
実際やっちゃうときはやむを得ないときなのですが、常識的に考えて2回撞いちゃダメですよね。
ファールしたらどうしたらいい?
9ボールの場合、実はファール後のルールはシンプルです。
ファール後のケース1:ファールした際に的球は何も入らなかった
手球を好きなところに置いて再開してください。
自由なので、9番でファールとかしちゃうと絶望的なわけです。
ファール後のケース2:ファールした際に9番以外の的球が入った
的球が入ったけど手球も入った、とかでよくあるケース。
この場合、入った的球はそのままにして手球を好きなところに置いて再開するのが今の主流です。
通称テキサスエクスプレスルールと言います。
(厳密には今日の9ボールのルール全般をテキサスエクスプレスルールっていうとかなんとか)
テキサス人が面倒になって採用したルールなんだとかって噂もありますが、真偽不明です。
ファール後のケース3:ファールした際に9番が入った
この場合は、9番を最初に1番を置いていた箇所に戻して、手球を好きなところに置いて再開してください。
9番を戻さないと勝ったのか負けたのかわからなくなっちゃいますし。
終わりに:ビリヤードを楽しくするために
ルールやマナーを守ったうえで、まずは手球を的球に当てる、あわよくば的球を穴に入れることができれば楽しめると思います。
的球が穴に入るときのボコンッて音は結構な気持ちよさです。
ビリヤードが球入れではなくビリヤードなのは、手球のコントロールがビリヤードの最大の特徴だからです。
このブログでも5個連続して入れる5個取りきり練習をよく記載していますが、手球の転がりを上手くできれば連続して的球を穴に入れられるようになるわけです。
そして、そのためにもちゃんと手球を的球に当てて、ちゃんと的球を穴に入れることが大切。
ただ、真っ直ぐ撞くことがそもそも難しいのが、ビリヤードの辛いところです。
そもそもの球当てや球入れの時点で随分と難しいですが、ルールとマナーを守ってビリヤードを楽しんでいただければ幸いです。