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球を撞いた記録と日々思うことと。ビリヤードがメインのブログです。

ビリヤード初心者の始め方4 ~手球の転がりの基本~

フリーボールだ!真っ直ぐ置いて、エイッ!

やったー!8番入ったぞ!あとは9番だけだ!

って、これどうすりゃいいんだよ絶対入らないんだけど。

 

ビギナーさん同士の9ボールとかでよく見ますね。

9ボールは9番を入れるゲームなので、こうなっちゃうと大分厳しい。

こういった事態が発生しないためにも、手球の動きを理解し次に繋がる場所に手球をコントロールしていく必要があります。

今回は、ビリヤードに必要な手球の動かし方について、その基本をまとめました。

 

 

 

この記事の前提

的球を入れる基本を連載2回目の記事にまとめています。

 

 

手球を的球に当てる球当てから、的球をポケットに入れる球入れ、的球をポケットにいれながら手球をコントロールして、初めてビリヤードです。

球入れからビリヤードに内容を進めるには入れた後の手球のコントロールが必要となります。

 

ただ、既に察しがついているとは思われますが、手球のコントロールというのは、そもそも難しい的球を入れることが前提となる技術なので、大変に難しいものです。

ビギナーからC級というステップだけではなく、どのクラスになっても(上クラスのことは知らないけどプロになってもなのかな?)この部分の練習をするものです。

 

書き出すときりがないので、今回は基本の原則を中心に書いていきます。

ちなみに、球入れがちゃんとできて難しい球でも入るようになっていれば、ビギナー脱却どころか強いC級ですし、手球のコントロールがぼちぼちできるレベルというのはC級を飛び越えたB級です。

難しいものですが、できた時の喜びは格別なので、めげずに。

 

なお、以下に示す図は、割と雑に作った図なので、手球の位置が厚すぎだったり薄すぎだったりする可能性がかなり高いです。

転がる原則の説明に用いる概略図と思っていただければ幸いです。

 

序文の状態

例えば、下記のような配置で、

 

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手球を8番に対して真っ直ぐに置いて、

 

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しっかり真ん中を撞いて8番を入れて、

 

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詰む。

 

やけくそショットで9番が入ればラッキーですが、そんなのは10回撞いて1回あればいい方で大体が簡単な残りになって相手にやられます。

こういった事態の発生を防ぐためにも、球を入れた後の手球の動き方の基本を理解し、手球をコントロールしていく必要があります。

フリーボールのときにどこに手球を置くべきなのかをぼんやりでも考えられるようになれば、ビギナーを脱出してC級になる日も近いです。

 

手球の挙動の基本

例えば、下記のような配置。 

 

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手球を無回転の状態で1番に当てて、1番を右サイドに入れた場合に手球がどう転がるか。

正解は下図に示すので、ちょっと考えてみてください。

 

 

 

 

 

 

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こんな風に、的球が進む方向に対して90度となる方向、かつ手球が的球に当たるまでの進行方向に対して鈍角となる方向に進みます。

 

無回転なら90度の方向に進む

まずは、この原則を理解しておきましょう。

的球がクッション際にある場合などは、クッションに対して垂直方向に手球が転がるので、イメージが楽です。

各クッションに対して斜め方向に的球を転がして入れる場合には、手球の転がる方向も斜めになるのでイメージしにくいですが、悲しいかな慣れるしかないです。

 

厚みによって動く量が変わる

手球が的球に真っ直ぐで無回転で的球に当たった場合、的球に当たった後にストップするのは上述した通りです。

的球に当たらなければ、当たり前ですが手球の進む力は的球に吸収されることなく維持されます。

 

つまり、手球が的球に当たる際の厚みの面積によって、手球から的球に伝達される力が変化するわけです。

厚み半分で、的球は手球の進行方向よりも30度ずれた方向に転がっていくので、角度と力の伝達具合は三角関数の関係があるはず。

実に物理ですね!やだやだ。

 

先ほどのサイドに狙う配置で、手球の位置がもう少し台の中央に寄って厚みが厚くなれば、手球の転がる量は減ります。

 

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こういうイメージです。

 

押し回転で的球に当たった場合

先ほど、「手球を無回転の状態で1番に当てて」と記載しましたが、例えば、手球をトップスピン(押し回転)の状態で1番に当てたらどうなるのか。

正解を下図に示すので、ちょっと考えてみてください。

 

 

 

 

 

 

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90度よりも鋭角になる方向に転がります。 

 

引き回転で的球に当たった場合

では、今度は手球をバックスピン(引き回転)の状態で1番に当てたらどうなるのか。

正解は下図に示すので、ちょっと考えてみてください。 

 

 

 

 

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90度よりも鈍角になる方向に進みます。

 

スピンと厚みの関係

厚みが薄くなると、手球の進行しようとする力が減少しにくいため、スピンによる影響が減ります。

 

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こんな風に、同じ押し回転でも厚みが薄ければ角度が90度に近づきます。

 

上下回転を駆使すれば多彩な角度で手球を転がせる

連載2回目で上下のスピンも練習しましょう、と書いたのは、手球の挙動にすぐ生かせるから、という理由がありました。

鋭角になる量や鈍角になる量について、厚みやスピンの量でいくらでも調整できるので、どれくらいの厚みでどれくらいの量だと理想の手球の転がし(ライン)を実現できるのか、を覚えることができればかなり自在に手球をコントロールできるようになります。

9ボールで配置に恵まれれば、上下のスピンを駆使するだけで全部取りきれることも。

 

序文の配置をどう対処するか

ここまで書いた内容を踏まえて、序文で示した配置にどう対処すべきか考えてみましょう。

上まで戻るのが面倒と思われるので、配置は下図に示します。

 

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9番を入れやすい場所がどこかを考える

まずは、これを考えてみてください。

もちろん真っ直ぐが理想ですが、そんな精度はないのが前提なので、「ここまでならぎりセーフ」っていう感じで「OKな範囲」を考えてみます。

 

 

 

 

 

 

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上図点線で示した範囲でしょうか。

ここなら、手球が左長クッションにくっついていないから撞きにくくないし、厚みも薄くないから比較的入れやすそうです。

 

考えたエリアに向かって手球を転がす

次に、的球に当たった以降における手球の挙動の基本に基づき、どこに手球を置いてどういった感じの回転状態で8番に当てて転がせばいいかを考えてみましょう。

 

 

 

 

 

 

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真っ直ぐからずらした位置に手球を置き、ちょっと引き回転がかかった状態で8番に当たるようにすれば、上図のように転がりますね。

こうやって転がせれば、8番を入れた後に9番も入れられて、9ボールで勝利できるわけです。

 

まとめ

上手い人が連続して的球を入れ続けているのは、手球をコントロールして的球を入れられる位置に配置し続けているからです。

どんなに上手い人でも、難しい球はそんなに毎回入るわけではないんです。

(上手い人はここぞっていう1発だと入れてくるんですけども)

 

手球のコントロールについては大変に難しいものです。

的球が外れたら手球の動く方向や動く量もずれるため、的球を入れられた上で初めて話が始まるものです。

 

ただ、難しいからといってやらないでいるといつまでたってもできないので、まずは、フリーボールの時や簡単な配置が回ってきたときにチャレンジしてみてください。

継続は力なり、です。

 

余談1:左右の回転について

手球の中心よりも左右の位置を撞くと、手球に横回転がかかります。

これを「ひねり」というのですが、ひねりをかけることで手球がクッションに入ってからの挙動を多彩にすることができます。

 

ただ、左右を撞くと、撞いた瞬間に手球がずれる(右を撞いたら左にずれる)し、手球が転がる中でカーブが出る(右を撞いたら右に曲がっていく)し、手球と的球が接触した際における手球と的球との間の摩擦により手球のスピンで的球の進行方向が変わる(スロウといいます)ので、もうめちゃくちゃ難しいです。

 

ゆくゆくはできないといけない技術ですし、最初のうちから挑めっていう話も聞きますが、私個人としては上下のスピンについてコントロールでき、的球を入れる技術もある程度理解してからでいいんじゃないかなと思う次第です。

 

なお、連載3回目の記事で触れたハイテクシャフトがハイテクなのは、この横を撞いたときのズレ量が小さくほぼ真っ直ぐ転がる点が挙げられます。

一度ハイテク買ったらずっとハイテクなので、道具の力の頼ってもいいと思います。

 

 

余談2:できることが増えてきてからの話

上下左右のスピン量が増えて、色々コントロールできるようになると、手球をより自在に動かせるようになってきます。

例えば、序文の配置においても、

 

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こんな風な転がし方で9番に出すことができるようになります。

このラインだと点線のエリアに滞在できる距離が長いので、加減にゆとりがあって余裕が出ますね。

 

点線で囲ったようなエリアを考えた時に、どういう転がし方をすればエリア内により長い距離で滞在できるか。

こういったことを常に考えるように癖づけると、ビリヤードがどんどん上手くなります。

ビギナーとかC級とかっていう次元よりは先の次元の話ですが、記憶に留めておいてもらえれば幸いです。