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球を撞いた記録と日々思うことと。ビリヤードがメインのブログです。

コイン選別機を端緒にした磁力の誘い

先日の造幣さいたま博物館の記事で、コイン選別機の仕組みがいまいちわからないと記載しました。

 

billiardblog.hatenablog.jp

 

これについて、「重力を用いているのでは?」と指摘を受けました。

ただ、重量による仕組みの場合、コイン選別機の左端に設けられた3つの円筒を有する機構内に1円玉が入った際に、転がっていた1円玉が減速する理由がさっぱりわからなかったのです。

磁力かな、と思っていたのですが、1円玉って純アルミですし磁石にくっつかないから、これは謎だなぁとか思っていました。

 

 

仕組みの詳細

ちょっと調べてみたら、学研のページに「磁石を使っている」と記載がありました。

 

kids.gakken.co.jp

 

(ページ内下方参照)

 

また、アルミと磁石の関係について、調べてみたところネオジム磁石程度でもアルミは十分に反応するらしいです。

こういったことを検索窓に打ち込むだけで知ることができるのでGoogleって本当に偉大。

 

磁力の話

ここからは、今回のことを受けて調べた結果を雑にまとめた内容です。

物理苦手だし一番苦手だったのが電気とか電磁束とかあの辺の分野だった人間なので、以下に記載する内容には間違いが含まれている可能性がご多分にあります。

「ちがうよ!」と思った際にはコメントやらTwitterやらで一報いただけると幸いです。

 

色々ある磁性

磁力、磁石のパワーですが、ちょっと調べると電子がスピンでキュリーなラジカルとかっていう門外漢には理解不能な単語が飛び交う世界です。

そんな中でなんとなく知ったのですが、磁力の性質、磁性には大きく分類すると

の3種類があるようです。

 

強磁性とは

鉄とかの、磁力を浴びたら(磁力を浴びるとか磁力が加わるというのが、表現として「磁場をかける」と同義だと思っているのですが、どうなんだろうか)外からの磁力がなくても磁力を帯びれるようなやつです。

ニッケルやネオジム磁石なんかもこれに当てはまるんだとか。

 

常磁性とは

外から磁力が加わらなかったら磁力を持たず、磁力が加えられた際には弱く磁力を帯びるようなものだとか。

物質ごとの常磁性の強さを示すリストを以下に示しますが、アルミニウムはこれになるそうです。

物質磁化率, {\displaystyle \chi _{v}}[10−5]
タングステン 6.8
セシウム 5.1
アルミニウム 2.2
リチウム 1.4
マグネシウム 1.2
ナトリウム 0.72

(引用:常磁性 - Wikipedia

 

反磁性とは

外から磁力が加わらなかったら磁力を持たず、磁力が加えられた際には磁力とは反対方向に磁性を帯びるようなものだとか。

物質ごとの反磁性の強さを示すリストを以下に示しますが、銅がこれになるそうです。

物質名χm=(Km-1)×10-5
ビスマス -16.6
炭素
(ダイヤモンド)
-2.1
炭素
(グラファイト)
-1.6
-1.0
-1.8
水銀 -2.9
-2.6
-0.91

(引用:反磁性 - Wikipedia

 

硬貨とコイン選別機の確認

ここで、硬貨とコイン選別機について、いくつか確認してみましょう。

 

確認1:各硬貨の成分

各硬貨の成分は以下の通りです。

 

1円玉:アルミニウム100%
5円玉:銅60~70%、亜鉛40~30%
10円玉:銅95%、亜鉛4~3%、スズ1~2%
50円玉:銅75%、ニッケル25%
100円玉:銅75%、ニッケル25%
500円玉:銅72%、亜鉛20%、ニッケル8%

Wikipediaの各硬貨の記事から引用)

 

確認2:コイン選別機における各硬貨の落下地点

わかりにくい写真ですが、下記写真の青色ボックス内に硬貨は落ちます。

 

f:id:fumy_billiard:20161013135741j:plain

 

写真中右側がコイン選別機のスロープです。

一番飛距離が出ると入るケースに落下するのは50,100,500円玉、その右隣が10円玉、その右隣が5円玉、随分と距離を開けてスロープ近傍に設けられているケースに入るのが1円玉でした。

 

仕組みを受けた考察

上述の内容からコイン選別機の仕組みを考えてみました。

最初、アルミは常磁性で銅が反磁性なので、1円玉は減速してスロープ近傍に落下し、他は銅の含有比率に応じて飛距離が伸びるんだな、なるほど!とかって思っていたのですが、それだったら10円玉が一番吹っ飛ばないと話が合わないんですね。

もうちょっと調べてみたところ、ニッケルは強磁性だけど結晶配向によっては磁性がどうたらと、いう記載をインターネットで見つけました。

なんだかよくわかりませんがニッケルが何かしらの作用をして、ニッケルブーストに進化して50,100,500円玉の飛距離が伸びているんだろうなと思われます。

 

ニッケルブーストに進化、っていう日本語の頭の悪さよ。

 

余談

反磁性のリストにも明らかな通り、水にも反磁性があります。

この仕組みを上手く使うと、

 

www.youtube.com

 

軽くて水をたくさん含んでいるカエルが浮くのです。

よもやカエルも自分が宙を浮くことになるとは思っていなかっただろうに。


ちなみにカエルを浮かせるのには約16T(テスラ)の磁力が必要で、16Tっていうのはネオジム磁石の約32倍の磁力だそうです。

カエルですらこの磁力なので、人間を浮かせるレベルだと体も浮いたけど魂も浮いちまったぞってなるレベルの磁力が必要になりそうです。