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ビリログBtoA

球を撞いた記録と日々思うことと。ビリヤードがメインのブログです。

そうだ、本を読もう、と殊能作品に思うこと

日々の生活

朝の時間や通勤時間、リハビリ時間等の隙間の時間を使って最近読書に励んでいます。

今回はそこに至った経緯と、最高にはまった殊能将之作品のご紹介。

 

 

 

読書ブームはどこから来たのか

仕事柄文字にまみれていて、ここ数年読書を意図的に避けて暮らしていたのですが、下記の記事や本を読んで読書を再開しました。

 

読書にまとまった時間はいらないと気付く

www.naruki-h.com

 

ちょっとした心がけ一つで読書って始められるよなぁ、と読んでいて思いました。

また、なるきさんのブログで紹介されていたビブリアってアプリがなんともいい感じで、読書意欲を向上させてもらえました。

感謝。

 

多読、そして文字を読むのは食事と一緒

www.e-aidem.com

 

www.e-aidem.com

 

仕事で読む特許文章は懐石料理のようなものだし、漫然と読んでいるなんjのまとめブログなんかはジャンクフードそのものなので、また趣の違う小説や新書を読むのも大事だなと気付きました。

何より、上田さんの高い筆力は多読に裏付けされているんだと思い知らされました。

 

プロだって常に読み続けている

 

大沢在昌の本がとにかく好きで、何故好きになるのか、何がこの魅力を作り出しているのか、というところを認識できるようになるかと思い購入して読んだのですが、書内の一説で

 

「月に最低10冊は読まないとダメ」

「ミステリーを書くなら古今東西のミステリーの名著100冊は読まないとダメ」

 

といったニュアンスの記載があり、書くことで忙しそうな作家ですらそれだけ読んでいるのに、のんびりと働いている私が一切読まないというのは怠慢以外の何物でもないだろ!と気付けました。

 

ちなみにこの本、小説の技法について非常にためになる内容が載っているので、小説を書くわけじゃなくても、小説を読む際に分析する視点を持って読みたい方にはお勧めです。

ブログであっても、抽出できるエッセンスは多いと思います。

 

奮起する心、戸惑う足取り

さて、「読書を再開する」と鼻息荒くしたところで、手元に本があるわけでもなかったので何を読んだらいいのやらとなりました。

 

私自身はエンタメハードボイルドが大好き、大沢在昌の作品はある時まで全部読んでいた、といった感じですが、いい機会だし読んだことがない作家の本に手を出すのもいいかなと思い、上田さんがその昔ネットラジオで勧めていた殊能将之ハサミ男を手に取りました。

そして、そこから一気に殊能将之の本を一通り読み切ってしまう程度にどっぷりはまったわけです。


以下、がっつりネタバレありの感想を書いていきます。

今回紹介するのは下記の作品。

 

ハサミ男 (講談社文庫)

ハサミ男 (講談社文庫)

 

 

黒い仏 探偵石動シリーズ (講談社文庫)
 

 

鏡の中は日曜日 (講談社文庫)

鏡の中は日曜日 (講談社文庫)

 

 

氏の作品はミステリーなので、未読の方は「叙述トリックについて」の項目まで読み飛ばしてもらいたいところ。

まだ咲かぬオモシロの芽を自ら摘み取らないで!

 

ハサミ男

第13回メフィスト賞受賞作であり後に映画化もされた作品。

上田さんの「叙述トリックがある」という紹介だけを前情報としてもっている状態で読み始めました。

叙述トリックがあるんだからどこかでだましてくるな、ここか?ここなんか?とずっと疑って読んでいったのですが、完全に騙されました。

本を読んでいて、ゾワッとして動悸が早くなったのはすごく久々。

そろそろ寝ようかなって思ってた辺りで最高潮を迎えたもんだから、翌日寝不足になったのは仕方のない話です。

 

黒い仏

探偵、石動戯作シリーズの2作目となる作品。

これも上述のラジオで上田さんが紹介していたのでハサミ男の後に読んだのですが、読み終わるまでこれがシリーズ2作目だったとは知らず。

あらすじは、

 ベンチャー企業の社長・大生部に、福岡の安蘭寺に隠されているらしい円載の秘宝を探して欲しいと依頼された、名探偵の石動戯作

名探偵の仕事らしからぬ依頼内容に落胆しつつも調査を進める中、依頼人の大生部が、福岡で発生した殺人事件の容疑者だと分かる。まんまとアリバイ作りに利用されたのではと石動は訝り憤る。

調査の裏で蠢く尋常ならざる邪悪な2つの勢力。そして、石動の謎めいた助手・アントニオの秘密が明かされる。

(引用:黒い仏 - Wikipedia) 

といった具合です。

 

大生部からの依頼と殺人事件との関わり、それを石動戯作が解き明かしていくミステリーなんだろう、と作中の謎にドキドキしながら読んでいったのですが、これもまんまと騙された私です。

 

これ、ミステリーじゃないんですよ。

だって、時空を超える妖魔がでてくるし助手も超能力使えちゃうしっていう、「邪悪な2つの勢力」なんて要素が出てくるものだからもうなんでもありなんですもの。

こういう小説の大前提をぶっ壊しちゃう作品を堂々と書けるっていうのがすごいな、と感心しました。

 

鏡の中は日曜日

探偵、石動戯作シリーズの3作目となる作品。

黒い仏、シリーズ1作目の美濃牛の後にこれを読み始めました。

この作品では、序章で石動戯作が殺害されてしまうのですが、その次に殺害に至るまでの石動戯作の動きと、石動戯作が調査することになった過去の殺人事件を題材にした小説(作中作)と、が交互に出てきます。

この交互に出てくる話が石動戯作が殺されるところまで到達してからが、叙述トリックネタばらしタイムで、いちいち「ファッ!」となりながら楽しく読んでいました。

 

本来、作中の情報と小説の前提とから色々と予想して、そこから叙述トリックで「ファッ!」となるのでしょうが、黒い仏を読んでいた私は、「言って、アントニオが時空超えて殺されないように石動戯作を動かすとかしちゃうんでしょ?」とかっていう小説の前提の部分を無視した予想をしながら読んでいたので、普通の人よりも驚けたと思う。

こういう読み方がいいのかはわからないけど、読む順番として美濃牛、黒い仏鏡の中は日曜日、の順番がいいと思われる。

 

叙述トリックについて

何回もしてやられているので、叙述トリックがこうもびしっとはまっちゃう理由について色々と考えてみました。

 

思うに、小説というものは文字による情報の塊なので、五感に関する情報は、文字として開示された範囲でしか読者には入ってこないことで、想起される内容をミスリードできれば叙述トリックが作れるのだろうと。

殊能将之作品は、情報の出し方、強い言葉と弱い言葉とを組み合わせる予想の導き方、がとても上手かったです。

小説を読んでいるときには、あまり頭を使わずに盲目的に楽しんで読んでいる関係で、私には叙述トリックがびしっとはまってくるようです。

 

今後の読書

Twitterにもそれっぽいことを書きましたが、「一般的な感性」というものをもっとちゃんと知覚する必要があるな、と思っています。

マイノリティ街道をひた走りマジョリティに劣等感を感じていたのも今は昔。

Yes or Noで判断できる多くの物事について、人々の感覚は7:3程度に別れることに気付いたので、7割となる感覚を掴めれば色々な物事において良くやることができるように思うのです。

ただ、これまで自分が好きであったマイノリティ文化もまた大切だと思うし、ここに私の個性が立脚しているのだからこれもまた大切にしていきたい。

 

なので、今まで好きだったエンタメハードボイルドをちゃんと読むし、それ以外の本もどんどん読むし、と雑食極まりないスタイルでいこうと思います。

ビブリアに記録したり、Twitterに感想を書いたりして、気分よくしながら頑張ります。

もしオススメの小説がありましたらコメントやTwitterで教えていただければ幸いです。