MUSASHIフルオーダーへの道1 ~MUSASHIとMUGEN~
※2016年5月に記載した記事を大幅に加筆修正
今使っているプレイキュー、性能については良いと上級者の方々から褒められるのですが、若干のパワー不足を個人的には感じています。
また、ベースとなる木材がブラッドウッドなため、赤いキューです。
息子が赤大好きでビリヤードを将来したいって言ってるし、私自身は青大好きなので、青いキューに買い替えて今のキューは将来の息子に託したいな、とずっと考えていました。
- 青いキューを探す
- 欲しいのがないからフルオーダーしよう
- ADAM MUSASHIキューとは
- MUSASHIを試し撞きしてきた
- オーダーストップされていた
- MUSASHIじゃなければフルオーダーできる
- MUSASHIとMUGENの撞き比べ
- 撞き比べの結論
- MUSASHIのフルオーダーのやり方について
- まとめ
青いキューを探す
しかし、世の中には黒ベースでインレイやハギが青いキューや、メイプルベースでインレイやハギが青いキューはあるものの、青ベースのキューというのはどうにもありません。
最近、Keith Andyで青いキューが出ているのをようやく見つけました。
お値段56万円。
お高い。
欲しいのがないからフルオーダーしよう
こういった事情から、フルオーダーで作ることにしたのがいつだったか。
今使っているキューは性能面、特にキレは申し分ないのでこのキューメーカーで作ってもいいんだけど、ここでフルオーダーしたら100万円じゃきかないこと確定なのでこの道はないです。
国内大手の一つMEZZのエクシードはセミフルオーダーしかできません。
一方、国内大手のもう一つADAMのMUSASHIは、フルオーダーできます。
ADAM MUSASHIキューとは
ムサシは数多くのキューを製作し続けてきた当社㈱アダムジャパンがその技術の全てを傾けて開発した、全く新しい工法により製作したキューとなっています。
ムサシは従来のキューと異なり芯をもち複数の材料を組み合わせた構造となっています。組み合わせ方は板目と正目を打ち消しあうように貼り付け、これを行うことにより木の性質上の問題であった「曲がり」 を大幅に防ぐことが 出来た。更にもう一つ「見越し」が大きくなる、原因の一つである板目と正目の弾力(反発力)の違いが軽減されたことは、撞き心地の良さ、打球感のよさに反映される。
構造的には一見単純に思われるムサシの発想ですが、従来のものと異なり、材料の削りだし、張り合せは非常に高い技術が要求され、熟練された職人が多くの時間をかけて製作を行っています。 30年間、数多くのキューを製作してきたアダムが、自信を持ってお奨めできる製品です。
(引用:ADAM JAPAN(アダムジャパン)公式HPより )
MUSASHIの特許である特許第2938870号よると、MUSASHIは、バットを元材(リング側)と中輪下(持ち手側)とに分割しています。
元材は、n分割された元材部分体からなり、各元材部分体は、元材部分体の接着面同士を接着させた際に、持ち手側に向けて先細る形状になっています。
また、中輪下は、n分割された中輪下部分体からなり、各中輪下部分体は、各中輪下部分体の接着面同士を接着させた際に、リング側に向けて広がったV字溝が正面視で形成されるようになっています。
そして、中輪下にハギ板が接着され、元材の先細り部を中輪下のV字溝に向けて挿入した際に、元材の接着面がハギ板を介して中輪下に接着される、といった構造のようです。
昔の特許(1999年6月11日登録)なので、えらく読み辛かったですが、各所で分割したものを組み合わせているところに、技術のコアがあるようです。
権利範囲もこの箇所が押さえられており、板目と正目とかは特に記載されていませんでした。
加工、接着の工数を考えると1本作るのに相当な時間がかかるのも納得です。
実は殆ど撞いたことがないので、撞き心地がもの凄く気になります。
MUSASHIを試し撞きしてきた
5月2日のことですが、友人が勤めているお店にMUSASHIが入荷したとのことで、試し撞きさせてもらいにいってきました。
これで感触が良ければ是非フルオーダーしたいところ。
オーダーストップされていた
気に入ればフルオーダーしたいと事前に伝えていたのですが、4月の中旬にMUSASHIのフルオーダーについては受注ストップしてしまったそうです。
年明けにエクシードがセミオーダー受注ストップした影響なのか、バックオーダーがたまり過ぎでどうにもならなくなったのが受注ストップの理由とのこと。
フルオーダーへの道、1話目にして「Fumy先生の次回作にご期待ください!」となってしまい悲しい限りです。
MUSASHIじゃなければフルオーダーできる
お店で話を聞いていると、MUSASHIじゃなければフルオーダーできる、とのことです。
丁度、この頃出たばかりのMUGENがあったので、MUSASHIとMUGENを試打しました。
もしこれでMUSASHIとMUGENの違いがわからなければ、MUGENでオーダーできるし値段も安くなるしでいいことずくめ。
頼む!性能差よ誤差であってくれ!
もしくは性能差を感知できないポンコツな肉体であってくれ!
MUSASHIとMUGENの撞き比べ
そんなこんなで、7フィート台でセンターショットや軽めの押し、引き(買わない売り物でミスキューするのが怖かった)をやってみました。
試し撞きしたキューについて
今回撞いたのは下記4本のキューです
・MUSASHI :縞黒檀ベース
・MUGEN1:MGN3(黒檀ベース)
・MUGEN2:MGN4(メイプルベース)
また、シャフトについては、ACSSとVi Solid 8 の2本をいずれのバットにもつけて試し撞きさせてもらいました。
MUSASHI感想
撞いた際の衝撃をしっかりバットで受け止めている感じでした。
この受け止めている感じ、衝撃が吸収されているような感じで、キューの持つエネルギーをすべて手球に込めることができているような感覚でした。
ACSSシャフトで撞いた際には、シャフトがよかったのか、バットがよかったのか、結構勢いよく飛ぶ感じ。
Vi Solid 8シャフトで撞いた際には、シャフトのやわさを感じてバットのパワーを十分に発揮できていないような感じでした。
あと、今使っているキューが軽いキューなため、縞黒檀のバットがちょっと重く感じました。
でもこのキュー、いい。若干欲しい。
MUGEN1感想
今自分が使っているキューと同じようなパワーの抜け感がありました。
ACSSシャフトで撞いた際には、手に衝撃が伝わってくることについてはないものの、バットで衝撃を受け止めきれていない感が強かったです。
Vi Solid 8シャフトで撞いた際には、パワーの抜け感というか、どこかでパワーをロスしているような感覚がありました。
MUGEN2感想
やはり今自分が使っているキューと同じような抜け感がありました。
ACSSシャフトで撞いた際には、シャフトが受けた衝撃をバットで吸収しきれず、手にまで衝撃が伝わってきました。
Vi Solid 8シャフトで撞いた際には、黒檀ベースのものよりはロス感はなかったものの、やはりちょっと抜けちゃってる感覚が拭えず。
撞き比べの結論
やっぱMUSASHIがナンバー1!
特許化されているだけあり、技術の詰まったキューというのは凄いです。
MUGENでオーダーすれば相当安くできるやったぜ、とか思っていた最初から、試し撞きしたMUSASHIが欲しくなった途中を経たものの、青いMUSASHIが欲しいという野望を叶える方向で動きます。
MUSASHIのフルオーダーのやり方について
フルオーダーについて、お店で色々お話を伺いました。
オーダー時に前金が必要
10万円ちょいが必要とのこと。
値段については、トータルの費用に対する割合で決定される感じもあります。
完成後に前金を引いた残りの金額を支払うそうです。
決めるのはバットのデザインだけじゃない
バットのデザインはもちろんしっかりと決めなきゃいけませんが、オーダーするのはこれだけじゃないです。
根本的なキューの性能や使い心地にかかわってくる部分であるバットの太さ、重さ、重心バランスも注文時に決める必要があるそうです。
太さ、重さ、重心バランスについていまいちわからないときは、お店にあるADAMのキューを使ってそれでいいならADAM標準に、とオーダーすることも可能なので、お店でオーダーすればどうにかなりそうですね。
使い心地はシャフトの先端径が結構重要
あまり道具を買い替える方ではないので知らなかったのですが、シャフトごとに先端径は随分と違うようです。
見越しが少ない314Zなんかは相当細いですし、ACSSなんかはちょっと太め。
今の自分のシャフトの先端径を知っておくといいかもしれません。
何故青いキューがないか
キューに使える硬くて重い木材の中で青色のもの、というものは無いので、メイプルのような色の薄い木を染めることで青色にすることができます。
ただ、メイプルの青染めって安っぽい色合いになることが多いんだそうです。
これについては、美術に造詣がある方に何故安っぽくなるのか聞いてみたのですが、自然界に青色の木がないことが主原因で、どういった系統の青色でも高確率で安っぽくなりそう、とのこと。
木材の染めは1回勝負だしそこでしくじると目も当てられない、ということもあり、ギャンブルする職人が少ないようです。
弾きとキレは二律背反
弾いて転がす距離と、キレと、は二律背反の関係にあるので、両立させるのは多分無理、とのこと。
B級で球の道理がよくわかっていない私、ただうなずく地蔵になりました。
外から見える木材と芯材は違う
例えば、黒檀のキューといっても芯材はメイプルだったりします。
また、メイプルのキューといっても芯材は黒檀だったりもします。
バットのデザインだけで重さが決まってるわけではないのでその辺りも意識するといいかも、とのことです。
なお、自分の今のキューについて、芯材が何なのかはわからず。
買ったメーカーに聞けばわかるんだろうか。
今想定しているデザインなら40万円程度かも
もうちょっとするかなぁ、と思っていたのですが、メイプルベースで作るからなのか、値段は40万円程度で済むそうです。
高いけど、物がいいし、デザインも自分好みになるんだから、美術品と実用品との融合ってことで何卒。
まとめ
MUSASHIに対して、今までADAMの最上位モデルなんだからまぁいいキューなんだろう、程度の認識だったのですが、撞いてみてよかったです。
球を始めた時に買ったキューもADAMだし、あの頃も「いつかはフルオーダーMUSASHIを!」と思っていたので、その頃の夢を叶えるべく、まずはお金を貯めようと思います。
そして、安っぽくない青色の木材についての検討等、デザインについても考えていきます。
いつの日か、僕の考える最高のMUSASHIを手にビリヤードしたいし、その頃にはキューに恥じない実力をつけていたい。